HIKKIE

PC / スマートフォン / ガジェット好きのひきこもりライフログBlog

「勝ち組」と「負け組」明暗分かれる半導体の調達

コロナ禍の影響による半導体の不足が叫ばれるようになってしばらく経ったが、まだまだ半導体の不足は続いていて、世界的な半導体の不足は少なくとも来年までは続くと言われている。

国内の半導体を大量消費する事業者では、直近だと楽天モバイルが半導体不足の影響を受け基地局整備計画が遅れることを明らかにした一方で、5Gサービスのエリア整備を進める3大キャリアはいずれも影響を受けることはないとしている。

アイキャッチ
k-tai.watch.impress.co.jp

3大キャリアはすでに4G(LTE)サービスが整備済みで、新規参入の楽天はゼロベースで整備を進めなければならず、割り当てられた周波数帯の面でも不利を抱えている。

世界的な半導体不足の中、すでに強靭なサプライチェーン、大きなシェアを抱えた「勝ち組」企業は半導体の調達で大きな優位性を持ち、一方で新規参入・シェアの小さな「負け組」企業は投資額が膨らみキャッシュフローは圧迫され、半導体の調達でも不利を背負うことになる。

こういった事象は移動通信体事業者だけでなく、半導体製品を利用する、あるいは製造・販売するあらゆる企業体に起こりうる、現在進行系で起こっていることだ。

「勝ち組」企業は高利益を取るか・シェアの拡大を取るか

半導体の調達に成功した勝ち組企業としては、根本的に数が足りてないのだからより高い値付けをして高い利益を実現するか、あるいは確保出来た半導体をねごろな価格でばら撒いてしまって戦略的にシェアの拡大を目指すかの二択となる。

いまさら名前を挙げるまでもないような世界の半導体・半導体製品のメーカーが最高益を更新し続けているのはすでに周知の事実だ。

「負け組」企業は嫌でも需要の少ない性能が低い半導体を使わざるを得ない

サプライチェーンを札束でぶっ叩いて供給を独占・優先させることが出来ない「負け組」企業に出来ることは根本的に半導体の使用を削減するか、需要が少なかったり歩留まりがよい代わりに古くて性能の低い半導体を使い、「新しい製品です」「最新のモデルです」と売り出すしかない。

とはいえ「わかっている」パワーユーザー・アーリーアダプターからすれば性能の低い製品なんてものはわざわざ買う理由がない。最近だとシャオミが供給の少ない最先端プロセス・テクノロジで製造されたSoCを搭載したMi 11 Lite 5Gを値頃な価格で国内に投入して人気を集めているが、スマートフォンやPCのような製品で使われるチップの性能差はベンチマークソフトによって数値化され、スカウターで測った「戦闘力」のように誰の目にも明らかな形となって現れるために、中身の古い製品をさも新しい製品のように売りつけることはそれなりに難易度が高い。また、白物や黒物、生活家電も半導体は使われているが中身は変わらないのにナンバーを振り直しただけの新しい製品を定期的に投入して、値段を吊り上げることがすでに常態化し、消費者のほうもそういう状態に既に慣れてしまっている。

完全ワイヤレスイヤホンは古くて性能の低い半導体で小遣い稼ぎするのに都合がいい

そういう状況の中で消費者を騙して性能の低い製品を売りつけやすい、うまみのある半導体製品ジャンルがどこかと言うと完全ワイヤレスイヤホンだったりする。

完全ワイヤレスイヤホンは1チップ・ソリューションで製品として必要になる最低限の機能が提供され、極端な話、製品に関する知識が全く無くても、ある程度の原資さえあれば簡単に製造から輸入販売まで出来てしまうし(ほんとは技適とかPSEとか参入障壁はあるんだけど)、音の良さとか通信の安定性というのは消費者にとってわかりやすく数値化する手段がない。古くて性能の低いチップを搭載したものを新製品として販売しても、メーカーが黙っていたら消費者にはわかりづらいので、欺術が生きる。

(詳しいやつがどうやって搭載しているチップを調べているかというと、国や経済圏の認証機関が公開している情報や会員企業の社員でないと本来アクセス出来ないネットワークに掲載されている情報を漁ったり、場合によっては殻割り…製品のガワを外してパッケージングされたチップの刻印を直接調べたりしている。いずれにしても、普通はちょっとやらないことだろう。)

「勝ち組」と「負け組」の二極化が進行する

当たり前の話だが、古くて性能の低い製品を掴まされた消費者も購入後に情報を収集したり使用していて製品の問題に気づくことはあるし、そうなればそのメーカーの製品は嫌厭するようになるのも自然なことだ。良心的でない売り方は消費者の心が離れ、良心的な売り方をしている企業に消費者は好感を持つ。

勝ち組企業はコロナ禍で莫大な利益を上げ、それをさらに投資し、未来においても収益に変えることが出来る。あるいは負け組企業がなにも出来ないでいるうちにシェアを拡大し、より強靭なユーザーの支持基盤をベースに負け組企業を迎え撃つことが出来る。元々勝っている、負けているのだから差がつくのは当然だが、その差はより加速度的に広がっていくことになり、負け組にとって残酷な未来が待っている可能性は高まっている。

参考・関連リンク

楽天モバイル エリア拡大に遅れ 半導体不足で基地局整備進まず | IT・ネット | NHKニュース

管理人のおすすめ記事

hikkie.hatenablog.jp