オウガ・ジャパン(OPPO 日本法人)が、完全ワイヤレスイヤホン2機種を8月27日に発売する。アクティブノイズキャンセリングに対応する上位モデルのEnco Free2が13,980円、Enco Budsが4,480円。発売に先駆け、本日23日からAmazon/楽天/PayPayモール/ひかりTVや家電量販系ECで予約受付を開始している。
Enco Free2
最大42dBのノイズキャンセリング機能を搭載すると公称するモデル。Bluetoothのバージョンは5.2、対応コーデックはAAC/SBC。イヤホン単体で約6.5時間、充電ケース使用で約30時間(ノイズキャンセル機能オフ)と公称している。充電ポートはType-C。IP54の防水・防塵仕様。ホワイトとブラックの2色展開。
左右同時伝送に対応し、ゲームモードをオンにすることで最大80msの低遅延でスマホゲームなどを楽しめるとしている。ただし、この手のゲームモードは親機側のオーバーヘッドなどの影響もあって実際には公称よりもだいぶ遅い。
Enco Buds
Enco Budsはアクティブノイズキャンセリング非対応の比較的廉価なモデル。
こちらもBluetooth 5.2準拠、コーデックはAACとSBCをサポート、左右同時伝送に対応し、最大80msの低遅延で利用できるゲームモードも搭載するなどの仕様は共通する。防水防塵等級はIP54。
タッチコントロールと、コンパニオンアプリを仕様したカスタマイズに対応するがコントロール部のスライド操作が削除されているようだ。
Bestechnicの新世代Bluetooth Audio SoC BES2500を搭載か
上記2製品は伝送やDAC・アンプなどの中枢部分を担うチップセットとして中国・上海のICチップベンダであるBestechnicのBES2500を採用していると考えられる。
BestechnicのチップセットはLBRTという傍受型左右同時伝送技術をサポートしていて、前世代のBES2300ファミリはGoogleのPixel budsやAnkerのSoundcore Liberty Air 2 Proと言った製品で採用があり、通信品質にはおおむね定評がある。それほど古臭いチップセットでもないが登場を控えているBluetooth LE Audio-Readyな製品ではないため、新しいチップセットの登場が待たれていたが、(たぶん)今回国内市場でははじめて採用製品が登場することになる。
Bluetooth5.2ではLE Isochronous ChannelsというLE Audioで使用されるオーディオデータの転送方式とEATT: Enhanced Attribute Protocolという複数のパケット伝送路を同時に利用することを可能にする仕様の改良(複数のオーディオデバイスに同時接続することが出来るようになる)、LE PowerCntrolというペアリングしたデバイスの間で電波の強度をモニタリングして、相手の送信パワーを最適に調整することでバッテリー消費を改善する機能が追加されている。あと、脆弱性の修正。
もっとも、これらの機能は親機側がBluetooth5.2およびLE Audioに対応していないと機能しない。これから先、Android OSやiOSのアップデートで対応が追加されていくだろうが、現時点では利用する手段はなく、そもそも流通している親機側デバイスの大半はBluetooth5.2になっていない。WindowsなどはようやくAACコーデックに対応するような状況なので、当面の間利用することは出来ないだろう。MicrosoftはオーディオデバイスとしてのWindowsはどうでもよさそうだし。
余談
左右同時伝送の対応を公称しているがこれまでBestechnicのチップセットを採用しLBRTに対応した製品で堂々と左右同時伝送への対応を公称していた製品を見た記憶がない。商標とか、特許権などの問題を抱えているのかと思っていたが、そうではなかったのか、あるいは問題がなくなったのか。
参考・関連リンク
OPPO、完全ワイヤレスイヤホン「OPPO Enco Free2」を8月27日より発売 | オウガ・ジャパン