Microsoftが米国時間で8月27日、Windows 11に無料アップグレードできるPCのシステム要件について、2つの更新を発表した。対応要件の拡大と一時的に取り下げていたPC正常性チェックアプリの再公開を行うという内容だ。
Windows 11でサポートされるプロセッサの拡大
6月のWindows 11正式発表段階では、TPM2.0のサポートを必須とし、8世代以降のIntel Core、Zen 2以降のAMDプロセッサ、市場にはあまり出回っていないが一部のQualcomm SoCなど、かなり新しいPCしかサポートしないという厳しい条件だった。
その後、Microsoftはユーザーからの怒りと怨嗟の声フィードバックを受けて再検討を行い、Intel Core Xシリーズ、Xeon Wシリーズ、MicrosoftのSurface Studio 2などに搭載されたIntel Core i7 7820HQを追加した。検討すると言われていたAMDの第1世代 Zenはあらためてサポートリストに追加しないという結論に達したとしている。
Microsoftは絶対に公言しないだろうが、サポートされないプロセッサでもメディア作成ツールを使用してISOからOSを手動インストールすれば要件を満たしていないPCでもインストールは可能となるという見通しが複数のメディア報道にあがっている。もっとも、Windows 10のサポートは少なくとも当面続くのだから、一般のユーザーが無理にアップグレードする必要はないと思う。面白がって強引にアップグレードして、クラッシュするところをYou Tubeにアップロードするユーザーはいるだろうが。
PC 正常性チェックアプリの新版公開
PC 正常性チェックアプリは、実行したパソコンでWindows 11を正常に稼働させられるかどうかをチェックできるアプリ。Windows 11正式発表に合わせて6月24日に公開されたが、アップグレードできるかできないかしか分からず、具体的に何が原因でWindows 11へのアップグレードに非対応なのか表示されないなど機能面で不足しており、公開が速攻で取り下げられていた。
満たしていない要件を表示する機能と関連サポートページへのリンクを表示する新版を数週間以内に公開する(Windows Insiderでのプレビューは既に公開されているようだ)としている。
正直に言えば、Microsoftがもたもたやっている内にReadySunValleyのようなアプリが既にMicrosoft Storeに提供されているから、今から数週間以内に提供しますと言われてもへー、ふーん、遅くない？という感じだ。
ReadySunValley
利用中のPCがWindows 11のシステム要件に適合しているかどうかを調べるツールアプリ。明らかになっているWindows 11のシステム要件をもとに、適合している項目にはOK、注意点のある項目には黄色い！、不合格の項目には赤い×が表示される。要件を満たしていない場合は、その理由と解決策が案内されるので、少なくとも公開停止前のPC 正常性チェックアプリよりはずっと優れている。
初期の外部製チェックツールはMicrosoft Defenderが脅威と認識して荒ぶったり、アップデートを適用したい場合、GitHubからバイナリをダウンロードする必要があったのであまりお勧め出来るものではなかったが、ストアアプリ版ReadySunValleyならアップデートの管理も容易だし、もう一般のユーザーにお勧めしてしまっても大丈夫だと判断している。
ストアアプリ版ReadySunValleyは普通に起動すると管理者権限で起動しないため、TPMの要件チェックが行えない。注意喚起ダイアログから管理者権限で起動しなおすことで、TPMの要件チェックを行える。ここだけ、注意が必要だ。
参考・関連リンク
Update on Windows 11 minimum system requirements and the PC Health Check app | Windows Insider Blog
Windows Processor Requirements | Microsoft Docs(Windows 11でサポートするプロセッサ一覧)
ReadySunValley を入手 - Microsoft Store ja-JP
