12月6日(米国時)、GoogleがPixel スマートフォンに提供していく予定の新機能「feature drops」を発表していたが、手元のPixel 5a 5Gでサイレントで解放されているのを確認した。feature dropsは、3カ月おきにGoogleが発表するPixel スマートフォンへの新機能紹介で、今回は7つの機能が紹介されていた。
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追加される7つの新機能
UWB in Neaby Share
UWB(超広帯域通信)を利用したニアバイシェアによる、より高速なファイル共有がPixel 6 Proで有効になります。と言ってもUWBを搭載するデバイスでの相互通信となるので現実的に利用する機会はあまりないと思われますが。
Digital Car Key
BMWの2020~2022モデル車種の一部で、車のドアハンドルに端末を近づけることでロック解除、ロックができ、端末をダッシュボードのキーリーダーに置いて車を始動することが出来るように。Pixel 6/6 Proだけでなく、Samsung Galaxy S21も対応。大多数のユーザーには関係のないアップデート。
Quick Tap to Snap
Pixel 4a (5G)以降のモデルのみ、「クイックタップ」でロック画面からSnapchatを機能可能になります。 「クイックタップ」は設定アプリ→システム→ジェスチャー→クイックタップで設定できるジェスチャー機能。スマートフォンの背面をダブルタップで実行する機能を設定しておけます。
これまでも「アプリを開く」でサードパーティのアプリを開くよう設定できたが、米SnapのSNSアプリ「Snapchat」で、ロック画面からも起動するよう設定できるようになります。(本人でなくても背面2タップでSnapchatを起動できるので注意が必要。日本語圏でSnapchat使っててさらにクイックタップに設定しているユーザーなんて存在するのかなという感じですけど。)
Now Playing Seacrh / Now Playing Favorites
「この曲なに?」に手動での検索とプレイリストへの登録機能が追加されます。 「この曲なに?」は、周囲で流れている音楽を検出し、楽曲のタイトルを表示する機能。
設定→着信音とバイブレーション→この曲なに?(※Android 12)で有効にできます。有効にすると、マイクが常に有効化され、オンデバイスで処理されるので電池持ちが悪化する場合があります。
これまでは曲を特定できないと曲名が表示されませんでしたが、検索ボタンで手動で検索できるようになります。[この曲なに?]の設定画面で[ロック画面に検索ボタンを表示]を有効にする。これで「この曲なに?」アイコンの形が変わり、タップすると曲を検索するようになる。(もちろん、検索しても見つからずに「曲はみつかりませんでした」と表示されることもあります。)
画面に曲名が表示されている状態で、曲名の左にある音符をタップすると、「この曲なに?」の履歴が表示され、流れている曲をSpotifyやYouTubeで聴いたり、YouTube Musicのプレイリストに追加したりできるように。
Car Crash Detection
Pixel 3aを除くPixel 3以降のデバイスで自動車事故検知機能が有効になります。フランス、イタリア、台湾で。日本では既に有効。
Reacorder
既にPixel 6/6 Proでは利用できましたが、Google Recorderのテキスト起こしがPixel 3以降のPixel スマートフォンで、日本語、フランス語、ドイツ語で利用できるように。
Pixel Buds Bass Slider
8月に発売されたPixel Buds A-SeriesでもPixel Buds同様に低音を強調できるようにAndroid 6.0以降搭載のPixelシリーズで利用可能。
December Wallpaper Collection



12月3日の国際障害者デーを記念して、壁紙の「厳選カルチャー」に新しい3つの壁紙が追加。
誤解されがちなAndroid デバイスのアップデートチャネル
月例セキュリティアップデートと同時に公開されているので、セキュリティアップデートの適応でfeature dropsの新機能も更新が行われると思う人がいると思う。確かにセキュリティアップデートと同時に更新が行われる機能もあるのだが、実際に機能解放が行われるのは後日、それもユーザーには明示的に確認する手段のないサイレントで行われることが結構ある。
Android デバイスのアップデートは、複雑に分化されたチャネルで配信されている。
OS アップデート
デバイスベンダか販売を行っている携帯通信企業によるAndroid OSのメジャーバージョンアップ。OSバージョンアップに伴うドライバなどの更新も含まれる。アップデート時は再起動が要求され、明示的に行われる。
セキュリティアップデート
デバイスベンダか販売を行っている携帯通信企業によるセキュリティアップデート。通常、最低でもデバイスの発売後1年に4回、2年目に1回は配信を行うよう、Googleによって指導されている。
下記のGoogle Play システムアップデートと違い、QualcommやMediatekなどのチップセットに依存する脆弱性の修正も含む完全なセキュリティ更新。アップデート時は再起動が要求され、明示的に行われる。
Play ストアからの個別のアプリのアップデート
Google Play ストアアプリを介してアプリベンダが配信する、個別のアプリの更新。通常、ユーザーが差し止めを行っていない限り、アップデートは自動的に行われる。Google Play ストアで直近の更新を確認することは可能。
Google Play システムアップデート(Project Mainline)
Android 10以降のAndroid デバイスでは、Googleが直接脆弱性の修正配信を行えるように、アプリケーション層に分離した一部のシステムのアップデートを配信するようになっている。アップデート時は再起動が要求され、明示的に行われる。
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Google Play 開発者サービス経由の更新
Google Play 開発者サービスというシステムアプリを介して行われる、機能解放のアップデート。夜間のアイドル時やデバイスの再起動時などに行われ、更新の履歴を確認することが出来ず、何か更新を行っても基本的にそれをユーザーに分かりやすい形で通知することがない。新型コロナウイルスの接触確認APIなどをかなり古いデバイスでも利用出来るのは実はこいつのおかげで、裏では様々な機能をアップデートの配信が止まったデバイスにも解放している。
今回のfeature drops アップデートだと、Recorderの日本語対応やPixel Budsの低音強化スライダーの追加などがアプリ更新ではなく、サイレントで行われる。セキュリティアップデートした直後に何か機能が解放されていなかったり、Play ストアでアプリ更新を確認しても更新がなくても、別におかしいことではないので安心して欲しい。