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Googleストアの*や技術仕様を読み解いてPixel向け充電器を考える

Google 18W USB-C 充電器とドロイドくん

昔の端末に付属していたGoogle 18W USB-C 充電器(とドロイドくん型充電器。コンセントに刺すと目が光るぞ!)

Pixel6aを先日購入したのだが、Pixel6以降のPixelスマートフォンには充電器が付属していない。当然、Pixel5aまでのPixelスマートフォンに付属していた純正USB充電器(Google 18W USB-C 充電器)を使い回すことは出来る。ただ、Pixel6aはPPSに対応しているようなので、新しいものを購入することを検討してみてもいいかもしれない。

PPS(Programmable Power Supply)とは

USB PD Revision3.0で制定された急速充電の規格。通常のUSB PDではそれぞれが流してよい最大電圧電流のリストを持ち、送り出し側(つまり、USB充電器)がケーブルの許容範囲と受電側の示すリストの中から流すべき電圧と電流を選択し、適切な電気を流す方法を取っていました。

PPSの場合は、プログラマブルな電圧・電流範囲のリストをやりとりし、100mV・50mA刻みで状況に応じ小さなステップで電圧と電流を変化させます。通常のUSB PDと異なり、受電側で供給される電力を適切にコントロールでき、より細やかに出力を調整してスマートフォンのように熱設計の厳しい小型であったり、ファンレスのフォームファクタで発熱の低減、バッテリの長寿命化を期待することが出来る。

PD3.0においてはオプションに留まるためにまだまだ普及しきっていないが、スマートフォンの充電方式は将来的にはこれが主流となっていくはず。

注意点として、デバイス側がPPSに非対応である場合に充電が上手くいかないトラブルも報告されている。PPS非対応であったり、USB-IFの規格に則っていないデバイスやケーブルと組み合わせた場合、トラブルの原因になる場合があることは知っておいたほうがいいかもしれない。

PPS対応充電器の選択肢

スマートフォンの急速充電は各メーカーが独自に開発したものが乱立してしまっているが、PPSはUSB-IFが制定した正式な仕様だ。また、グローバルのトップメーカーのひとつであるサムスンがNote10以降「超急速充電」なるブランディングで採用している。そのため、Google 30W USB-C Chargerを始め、BelkinAnkerなどからも45W~25W PPSに対応する製品群がリリースされていて選択肢には困らない。

もっとも、何も考えずに今あるPixel スマートフォンだけを接続して使用することを前提とするなら、普通にGoogle純正の30W USB-C Chargerを使えばいい。Amazonとの訴訟を抱えていた昔はGoogleのアクセサリーすら取り扱いがなかったりしたが、最近は純正スマートフォンケースや充電器、Pixel BudsなどもAmazon販売・発送で取り扱いがあって入手しやすくなった。

Google純正 30W USB-C Chargerのもたらした混乱

このGoogle 30W USB-C Chargerだが、Pixel6や6 Proに30Wで充電出来ていないということで批難されたことがあった。Android Authorityが取り上げ、日本国内ではGIGAZINEなどが拡散したようだ。

ただ、そもそもGoogle ストアの技術仕様Pixel Phone ヘルプの技術仕様には、Pixel 6/6 Proを30Wで充電できるという文言は存在しない。純正の30W 充電器を使用して1%から充電をスタートした場合、約30分間で最大50%という記載はあるがそれも最大ワット数は明言されていない。

じゃあ、どうして充電できないのに30Wとという過大な性能を持った純正充電器を売っているのかというと、こいつはGoogle Pixel Stand (第2世代)に使いまわしで同梱されているからだ。

Pixel Stand (第2世代)はPixel 6/6 Pro用のワイヤレス充電スタンドで、こちらはPixel 6/6 Proにそれぞれ21W、23Wの速度で充電出来ると明言されている。ワイヤレス充電の発熱をカバーするためにファンを搭載していてファンの駆動に電力を使うし、有線からQiへの変換の過程でも電力のロスが発生する。だから実際にデバイスに充電できるのが最大で23Wでも、30Wのアダプターが付属している。

Pixel 6/6 Proの場合は、Pixel Stand (第2世代)の技術仕様に記載されているワイヤレス充電と同じ、21/23Wが理屈上の最大の充電速度だと考えられる。Pixel 6aの場合は、Google 30W USB-Cおよび18W USB-C充電器を用いて最大18Wで充電出来ると明言されていて、18W PPSという場合はふつう、5.9V=3.0Aの最大17.7Wで充電出来るはず。それだって、理想的な環境における最大のワット数であって0-100の平均や中央を取れば実際には15Wにも満たなくなるだろう。

30分で最大50%という充電速度は、明らかに1C(1時間でバッテリー容量に対して1倍)を超えないように設定された制限であり、Googleは充電速度の競争に加わる気は明らかになさそうだ。リチウムイオンバッテリーを搭載したデバイスは電源管理ICが過充電や過放電は行わないように制御しているが、あまりにも急速すぎる充電はバッテリーを劣化させ、ガスの発生量も増やす(つまり、バッテリーが膨張しやすい)危険性を孕んでいる。

将来を見据えるなら30Wや45W PPSに対応している充電器を

今後もGoogleが1Cを超えない充電速度を維持するなら、バッテリーの容量が大きくなればなるほど充電速度も高速にする余地が生まれることになる。2023年の発売が予告されているPixel Padなどはスマートフォンよりも更に大きなバッテリーを搭載するはずだし、充電器に要求する出力も高いのではないだろうか。

今後のPixelスマートフォンには充電器は付属しないだろうし、複数のデバイスで充電器を使いまわしたいなら既存の18W充電器から30Wや45W PPSに対応している製品に更新してもいいだろう。充電速度という点で進化を体感することはまったくないだろうが

ちなみに、Galaxyの45W 急速充電を利用したい場合は5Aに対応するアダプターとケーブルが必要なようだが、Pixelスマートフォンで使用しているぶんには付属品のケーブルで十分なはずだ。

参考・関連リンク

Google Pixel のハードウェア技術仕様 - Pixel Phone ヘルプ

30W USB-C Power Adapter - Google Store