Android スマートフォンに存在するニアバイシェア(Neaby Share)という機能、使ってますか。Googleが提供するAndroidやChromeOSで使用出来る近距離共有機能です。2020年の夏に発表され、Android 6.0以降を搭載するAndroid スマートフォンにはGoogle Play経由で解禁されているはずです。
iPhone(とApple製品)にはかねてよりAirDropという近距離共有機能が提供され、AirDrop痴漢のような犯罪行為がニュース報道されたりもしたしけっこう一般に認知されていると思いますがニアバイシェアはGoogle Play経由でサイレントに解禁されていることもあってまだまだ認知度が高くない印象。とはいえ、僕はAndroid スマートフォンに加えてChromebookも使っていますし、家族もAndroid スマートフォンの利用率が高いのでけっこう使っています。
そのニアバイシェアですけど、利用出来る環境についにWindows PCも追加されそうです。もともと、2021年にChromeOSにニアバイシェアを追加するアナウンスした頃にはAndroidとChromeOS以外への提供予定はないよー、みたいなこと言ってたんですが2022年のCESでやっぱWindowsにも提供するぞ!ということになっていました。
Windowsでニアバイシェアを使用するためには、ニアバイシェアを使用したいWindows PCに「Nearby Share」アプリをインストールする必要があります。対応環境は64bit版のWindows 10以降、x86のみでARM製SoCを搭載したデバイスはサポートされていません。BluetoothとWi-Fiも必要です。
アプリが起動するとGoogle アカウントへのログインが求められます。ここはちゃんと日本語に対応。ログインしているとアカウントに登録された連絡先のみに共有先を限定するなどのカスタマイズが利用できます。同じアカウントでログインしている自分のデバイスからだけニアバイシェアを許可することも出来ます。
ログインしても、しなくてもいいと思いますけど今回はログイン。自分以外の連絡先に登録済みのユーザーにシェアする許可はGoogleの連絡帳(Google コンタクト)にシェアしたい人のGmailのアドレスが登録されている必要があるので、キャリアメールやLINEが強い勢力を誇る日本ではあまり役に立たないかも。
初回起動時にはニアバイシェア利用時に公開されるデバイス名や共有を許可する範囲の設定やテレメトリの送信の許諾設定などを促されます。
設定が完了するとドラッグアンドドロップの待ち受け画面が表示されます。デバイス名はとりあえず「Windows PC」にしちゃいました。?ボタンからはヘルプやコミュニティフォーラムへのリンクが叩けます。まだ日本語対応してません。歯車ボタンからは設定画面が開けます。デバイス名やニアバイシェアで受信したファイルの保存先、テレメトリの送信の許諾などが設定可能。
試しにAndroid スマートフォン(Pixel 6a,Android 13)からニアバイシェアを利用して共有してみます。とりあえずGoogleのURLをシェア。きちんとWindows PC(と隣に並んでるChromebook)を認識。
シェアしてみるとWindows側のニアバイシェアアプリ上でリンクを受信しましたとの表示が。[開く]を選ぶとちゃんと既定のブラウザに設定しているChromeでGoogleのページが開かれました。このあと、画像や音声ファイルなどもシェアしてみましたが動作はキビキビしてます。ニアバイシェアアプリはスタートアップに登録されバックグラウンドで動き続けていて、明示的にアプリを起動しなくてもファイルやURLを受け取ってくれます。ただし、ファイルを受信したという通知トーストなどは表示されないよう。
手元にあるChromebook(Detachable CM3,ChromeOS M111 32bit)でも試してみるとこちらではChromebookとのペアリング作業を要求されてしまいました。スマホとのシェアではペアリングなんて要求されなかったのにおかしいな…と思いつつペアリング作業をしてみましたが、ダメ。そもそもペアリング自体が失敗します。ちょっと悪戦苦闘した限りChromeOSからWindows PCへのシェアは毎回失敗しています。
気を取り直してWindows PC側からニアバイシェアで共有してみます。AndroidやChromeOSでは共有メニューからURLも共有出来たのですが、Windowsで送信できるのはファイルやフォルダのみ。ドラッグアンドドロップでもアプリからエクスプローラーを開いて選択でもOK。
今回はとりあえずNewPipeのapkをシェアしてみた。と言っても特筆するようなことはなくスムーズにシェアが完了しました。ダウンロードしたapkは通知から開いても即インストールとはなりません。既定のダウンロードフォルダに保存されるのでファイルエクスプローラで開く必要あり。あと、Windowsからの共有ではChromeOSの方にもスムーズにファイルがシェア出来ました。
アプリは現状ではベータ版ということで、まだ動作が完全ではなさそうです。人柱になってもいいからお試ししてみたい、という人はチャレンジしてみてはどうでしょう。今はインストーラーを配布している形ですけど、もともとHPやAcer、インテルなどと協力していち早く機能を提供するというようなことをアナウンスしていたので将来的にはメーカー製のPCに「Nearby Share」アプリがプリインストールされて出荷される形で自分でインストールする必要なくニアバイシェアが使えるようになるのではないかな、と思います。スタートアップで常駐するのでAppleユーザーの人にはブロートウェア扱いされそうですが(笑)