スピーカーホルダーなしのGoogle Pixel Tablet本体のみを購入するべきでない理由。

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アイキャッチ

Pixel 8aの予約開始と同時にしれっと予約が開始されていたGoogle Pixel Tabletのスピーカーホルダー非同梱の単体版。Pixel Tabletを発売と同時に購入して、およそ一年使用している自分の正直な評価としては、単体版は買わないほうがいいと思います。

(追記)2024年12月のFeature Drop アップデートでAndroid 15で実装されたバッテリー80%止め(他社がいたわり充電やインテリジェントチャージと呼んでいるものに相当)機能がPixel Tabletにも解禁されました。この記事の情報は古いものであり、現在は状況が変わっています。

1.そもそもスピーカーホルダーの存在が前提の設計となっている

Google Pixel Tabletではスピーカーホルダーに接続しているとき、充電率が90%に到達するとバッテリへの充電を停止し、基盤への給電のみに切り替える「バッテリー保護*1」機能が実装されています。この機能はUSBアダプターに接続して充電する場合、使用することが出来ません。

充電の最適化

Pixel 4以降のGoogle Pixel スマートフォンは午後9時 ~ 午前4時の間にスマートフォンを充電し、アラームが午前3時 ~ 10時に設定されている場合*2、充電率80%で基盤のみへの給電に切り替え、アラームがなる直前に満充電になるようバッテリへの充電を再開する「アダプティブ充電*3」という機能が実装されていますが、こちらはGoogle Pixel Tabletには実装されていません。

アダプティブ充電

もしスピーカーホルダーを使用しない場合、Pixel Tabletで利用できるバッテリー保護機能は、

  • 高温の環境で数時間以上連続して充電されている
  • 数日以上連続して充電されている

状態でバッテリー充電率を70 ~ 80%に制限する「バッテリーの状態を最適化」のみとなってしまいます。

Pixel Tabletのセキュリティアップデート保証は2028年の6月まで*4続くとされており、購入される方もある程度長く利用するつもりで買われる方が多いと思います。長く、大切にデバイスを利用するためにもバッテリーの保護機能が充実していることは大切です。

Pixel TabletにはChromecast 受像機としての機能も組み込まれており、スマホやPCなどからPixel Tabletに動画や音楽をキャストして再生することが出来ます。こちらもスピーカーホルダーに接続しているとき限定で、タブレット単体で使用している場合は利用することが出来ません。もちろん、タブレット単体で動画や音楽を再生することは出来ますが…。

VLC スクリーンショット

VLCなどWindowsのメディアプレイヤーからもPixel Tabletへキャストすることが出来ます。けっこう快適です。マルチポイント対応のヘッドフォンもあると更に快適だと思います。

この他、スピーカーホルダーを使用した空間オーディオの再生*5とかもありますが、これはまぁどうでもいいかな…。スピーカーホルダーがなくても対応ワイヤレスイヤホン/ヘッドフォンでの空間オーディオ再生は出来ます。

2.セールされているバンドル版の方がセールされていないPixel Tablet単体より安い

スピーカーホルダー同梱版の定価は¥79,800(税込み)、Pixel Tablet単体版の定価は¥68,800(税込み)と定価で比較するならスピーカーホルダー同梱版の方が高額です。

Google ストアの正規価格

ですが2024/05/10現在、Amazon.co.jpやヨドバシカメラなどの正規販路でスピーカーホルダー同梱版が¥67,800(税込み)とセールされています。今後、Pixel Tablet単体版もセールで値引きは行われるでしょうが少なくとも現時点では同梱版の方が安価に買えてしまうという逆転現象が発生しています。

3.より高性能でハイコスパなタブレットの流通も始まっている

5月に入り各社の春~夏モデルの情報が公開され始めましたが、Google Tensor G2よりかなり高性能なCPU・GPUを搭載する小米技術日本(シャオミ・ジャパン)の「Xiaomi Pad 6S Pro 12.4」など価格帯が近くより高性能なAndroid タブレットも既に流通が始まっています。

割合高額とはなりますがサムスンのGalaxy タブレットも正規の販売が行われるようになり、11インチオーバークラスのAndroid タブレットは選択肢が充実しています。Wacom EMRを採用しイラスト制作ツールとしての需要に訴求したものや、より新しいフラッグシップ向けの高性能チップを搭載する製品群と比較するとスピーカーホルダーとの連携機能がないPixel Tabletはいかにも魅力に欠けます。

もちろん、今後タブレットでもPixel スマートフォンのような販売施策の充実やアップデートによる機能拡充で、タブレット本体のみでもより魅力的な選択肢となる可能性はあると思いますが、少なくとも現時点ではPixel Tablet本体のみのエクスペリエンスにそこまでの価値はないと思うというのがこの一年ほどPixel Tabletを使用しての正直な感想です。

より大画面かつスマートディスプレイで使用されるようなプアなチップよりも遥かにリッチなハードウェア性能による「かなり良いスマートディスプレイ」がPixel Tabletの本来のエクスペリエンスだと思います。

*1:Google Pixel Tablet のバッテリー保護 - Google Pixel Tablet ヘルプ

*2:Pixel 4a以降はAIが日ごろの充電パターンから推測してアダプティブ充電を自動的に有効にする場合もあります。

*3:アダプティブ充電で電池寿命を延ばそう スマホに優しい充電方法とは?

*4:Google Pixel Tablet でソフトウェア アップデートを入手する - Google Pixel Tablet ヘルプ

*5:Android 14アップデートで発売後に追加された。