予約開始即日に予約して5月14日の午前中に届きました。下取りキットはまだ届いてないです。
四隅ラウンドのポップなデザイン。背面はガラス?プラスチック?=プラスチックでした
外観は基本的にPixe 8/8 Proを踏襲しているが、Pixel 6aや7a、Pixel 8 無印が光沢ガラス背面なのに対してPixel 8 Proのようにマットな仕上げとなっているのでちょっと印象が変わっている。
8シリーズのデザインに沿い四隅角のカーブが大きくなだらかになっていて、柔らかな印象を受ける。カラバリはAloe、Bay、Obsidian、Procelainの4色が用意されていてヒーローカラーはAloeのようだ。今回はProcelainを購入したが、後でモックアップ触ったらBayのが好みかなと思ったのでちょっと後悔していたり…。
手触りはなめらかで、裸運用ではグリップ感が弱いかもしれない。バックパネルがガラスであると一部のメディアで誤った記載があったがやはり公称仕様通りリサイクルプラスチックであったようだ。サイドフレームは放熱機構のためアルミとなっているようだが、プラ素材のPixelは久しぶりのこととなる。個人的には光沢のあるガラスは指紋などが残りやすく逆に安っぽく見えると思っていたので歓迎しているが、スクラッチへの耐性は落ちているはずだ。
重量は公称188g。自宅のキッチンスケールで測ってみたが相違なし。Pixel 7aから僅かに軽くなり、サイズも微差があるが基本的にほぼ同じスケール感といったところ。
ディスプレイは7aの最大90Hzから最大120Hzに向上し、ピーク輝度も引き上げられている。明るく、鮮やかでコントラストもよい。Pixel 8と同じ「Actua Display」のマーケティングネームを与えられていて、Pixel 8同様コンテンツに合わせて自動で120Hz↔60Hzを切り替えてくれる機能も備えている。ローンチ価格で200ドル差(日本円では4万300円差だ!)のPixel 8を買った人がちょっと可哀想になる豪華っぷりだ。
カメラ構成は7aと(ほぼ)同じ。カメラフォンとしての魅力向上はあまりなし
リアカメラ(背面カメラ)の構成は完全にPixel 7aと同じで、カメラバーはPixel 8/8 Proと比較すると薄いです。フロントカメラ(インカメラ)もF値やセンサー画素数は変わらず、マイクロレンズだけ切り替えられたのか画角が95度から96.5度へわずかに向上しています。
TPUの性能向上でAI機能の解禁やコンピューティショナルフォトグラフィーの品質向上は行われているようですが、7aからだとユーザー体験はほぼ変わらないものと思われます。カメラ構成が5から使いまわされている5aや6a、それ以前の端末からの買い替えならば品質向上の恩恵を受けられるはずです。
上位モデルと同じTensor G3のキビキビ感は健在。アッパーミドルとしては十二分な性能
搭載チップのTensor G3は旧世代のG1、G2と比べ、製造プロセスルールがサムスンの5nmからサムスンの4nmへシュリンクが進んだほか、CPUの最高性能コアがCortex-X1からX2をスキップしてX3に世代切り替えが行われたことによるIPCの向上、ピーククロックも微増していることからシングルスレッド性能が2~3割程度向上していると考えられ、比較的歩幅の大きな進歩となります。
一方でCPUクラスタが2/2/4の8コアから1/4/4の9コアへと切り替えられており、最高性能コアが2→1に削減されたこと、高効率コアの低クロック化などの理由でマルチスレッドのフルロード性能は微増に留まっています。
▼関連ページ
Pixel 8a (Pixel 6a,Pixel Tablet) 各種ベンチマーク
発売前、Pixel 8a搭載のTensor G3はクロックを引き下げて選別落ちチップを使用しているというリーク情報が拡散されていましたが、どうやらこれは間違っていて、Cortex-X3が最大動作周波数 2.914 GHz、Cortex-A715が最大動作周波数 2367MHz、 Cortex-A510の最大動作周波数 1704 MHzとそのままの性能のTensor G3が採用されています。放熱設計などの構造の違いによって微差は出るでしょうが、各種ベンチマークは基本的にメモリが同量のPixel 8を参照してしまってよいと思います。
GPUはARM純正のMali-G715を採用していると考えられており、これはフラッグシップ向けのブランディングである「Immortalis」を名乗ることが出来る10コア搭載のラインに届かない7コアのバージョンと見られています。性能的にはアッパーミドルのそれです。
Pixel スマートフォンは「ハイエンド」と言われることが多いですがTensor以前のPixel 5の時点でアッパーミドルのSnapdragon 765Gへ切り替えられており、Google TensorもGoogleのオリジナル コンポーネントであるAIアクセラレータ・ML用チップのTPU(NPU)を除けばサムスンやARMの世代落ちフラッグシップのクロックを落としたデチューン版・アッパーミドル向けを採用しています。
もちろん、アッパーミドル相応の性能はあるので性能的に遊ぶことが不可能なゲームなどは市場に存在しないと思われますし、中国ベンダーやサムスンの弱い日本市場では相対的にコストパフォーマンスがよい部類だと思いますが。
結局、旧モデルと比較してどこがよくなった?
前世代のPixel 7aと比較すると、
- CPU・GPU・TPUといった主要コンポーネントの性能向上
- ディスプレイのリフレッシュレートが90Hzから120Hzに向上し表示がなめらかに
- ディスプレイのピーク輝度がより明るく
- ウルトラHDRや編集マジック、ベストテイクなどのAI機能の追加
- OSアップデート3年、セキュリティアップデート5年からOS・セキュリティアップデートともに7年にポリシー変更
といった小幅な更新となる。二世代前のPixel 6aとなると上記の変更点のほか、
- Qi ワイヤレス充電(最大7.5W)のサポート
- 顔認証(2Dカメラ)による生体認証
などもポイントとなる。さらにそれ以前となるとPixel 5a (5G)が2024年8月でセキュリティアップデートの保証期限が終了し、それ以前の端末は提供保障期限が終了している。サポートが長期化する前の端末はいい加減、買い替えてもいいだろう。
国内価格の値上がりは厳しいが確実に性能向上。サポートもさらに長期化し、古い端末を使っているなら買い替えてよし
ローンチプライスは米ドルだと499ドルで7aと変わらないのですが、国内での価格は円安の影響を受け1万100円も高くなってしまっている。直販価格が7万2,600円で各キャリアの定価は8万円オーバーとこれだけ見ると正直うおっ…となるのだが税抜きのレートは132円とこれでも相当挑戦的なプライシング。
今後の社会情勢がどうなるのか断言することは出来ないが、きわめて短期間のうちにいきなりドル円のレートが1ドル156円から1ドル132円以上に振れるということは早々ないとおもう。
現在お使いのスマートフォンがかなり古くなってしまっていたり、エントリーレベル・ミドルクラスのスマホに手を出してみたけどやっぱりもう少しリッチな端末が使いたい、という場合はPixel 8aは有力な選択肢のひとつとなりそうだ。
個人的に一番偉いと思っているのは、正規サービスプロバイダのiCrackedでのバッテリー交換サービスの価格が15,180円に据え置かれていること。ディスプレイはより高性能化しているが画面割れもPixel 7aから1000円値上げの23,980円に留まっており、基板を完全に破壊するようなインシデントがなければ本当に長く使い続けられる端末になるだろう。まあ、今後値上げする可能性も普通にあるが。
Google ストアで開催されている2万円相当のストアクレジットバックキャンペーン、下取り増額キャンペーンはいずれも2024年05月21日午後11時59分(日本時間)までとのこと。