Appleの「探す」ネットワークはApple デバイスを使うユーザーが協力し合うことを前提として設計されており、Apple デバイスやAirTagを追跡できるネットワークが勝手に構築されます。サードパーティの安価なBluetooth タグ、トラッカーとか言いますが、も相乗りすることが出来、各社から色々なアクセサリが発売されています。
Androidでも同じことは出来ないの?と考えるところですが、実際に4月に「デバイスを探す」アプリの刷新が発表され、5月以降にアプリが順次アップデートされ、サードパーティベンダーのBluetooh タグを追跡できる機能が実は追加されています。
Chipolo ONE Pointは4月の「デバイスを探す」アプリの刷新が発表された段階で対応メーカーとして当初から名前が挙げられていたChipoloとPebblebeeの片方、Chipoloから8月23日に発売された新製品です。カード型のCARD Pointも楽天ブックスで併売されています。
代理店のオフィシャルサイトのほか、メーカー取り寄せとなりますが楽天ブックスで購入することが出来ます。私も楽天ブックスで購入して、25日に注文して29日に発送されました。Amazon.co.jpなどでは販売されていないよう。
2024年8月末現在、日本市場で唯一と言っていいAndroid向けのBluetooth トラッカー
Bluetooth タグは2.4GHz帯の電波を発信するので、日本国内では技適という参入障壁があります。海外では対応デバイスと組み合わせてより高精度の位置測位が可能なUWB対応のモトローラのMoto Tagなども発売されますが、日本市場では音沙汰なし。残念ながら、日本市場では発売しないのか発売されても相当後になるのか…。
実は 「デバイスを探す」の設定を変更しておいたほうが良い
Chipolo ONE PointはUWB非対応なのでAppleのAirTagに比べ精度や距離に劣るものの、これでAndroidユーザもAppleの「探す」ネットワークと同じような運用ができるようになりますが、実はもう少し追加設定が必要です。
「デバイスを探す」アプリの初期標準設定が、すべてのエリアを対象にデバイスを探すようになっておらず、トラヒックの多いエリアでのみ「デバイスを探す」ネットワークを使用するようになっており、そのままでは限定的にしか機能しないからです。
すべてのエリアで探すネットワークを使用する設定にでき、設定変更の手順は以下になります。
1.デバイスを探すアプリを起動する(Google アカウントへのログインが求められます。)
2.画面右上のアカウントのアイコンをタップして、「デバイスを探すの設定」をタップする。
3.「オフラインのデバイスを探す」をタップする。
4.「すべてのエリアでネットワークを使用する」をタップする。
位置情報を正確に追跡しようとする機能なので、司法当局に睨まれるのを警戒しているのか、単に対応アクセサリがまだ出回っていないのでこうなっているのかわかりませんが、少なくとも今のところはちょっと面倒な設定が必要です。
Pixel スマートフォン*1では[設定]→[セキュリティとプライバシー]→[デバイスを探す]→[デバイスを探す]→[オフラインのデバイスを探す]からこの設定にアクセスすることも出来ます。階層が深いしタップすると更に深いレイヤーにアクセス出来るのかわかりづらい部分もあり、やっぱりちょっとめんどうなことになっています。
待っていればほぼ確実にAnkerからも同等品のBluetooth タグが出ます!
実は既に「デバイスを探す」の公式ページに掲載されている対応トラッカータグのリストにAnkerのブランドであるEufyの名前が(近日発売予定)として挙がっています。待ってさえいれば、ほぼ確実にAnkerからも同じような製品は発売されます。
Bluetooth タグに限った話ではありませんが、現代の製品はメーカーや中国にある実際の製造元に連絡を取って、「この製品いいね、うちの会社のロゴいれて同じもの作って」と言えば即、ベンダーとして参入することが出来ます(OEM/ODM)。
日本国内に関して言えば技適という参入障壁があるわけですが、そのあたりはOEM/ODM元もだいたい分かってはいるので、お金さえ払えば代わりに技適の申請、USB-IF認証やMade For iPhoneの取得に必要な書類の用意なども全部やってくれる、という所がほとんどです。待っていれば、Anker以外のベンダーからもほぼ確実に同等の製品が出ます。しかも、おそらく販路が弱いChipoloより安く。
Appleの「探す」ネットワーク対応のシンプルなBluetooth タグは安いものだと2000円切ってくるので、おそらくはそれに近いくらいに安いものも"将来的には"出てくるものと思われます。
市場にはTileのように独自実装のBluetooth タグやAppleの「探す」ネットワークのみを利用するタグも存在しているので、Googleの「デバイスを探す」ネットワークに対応した、Bluetooth タグを見分けるために「Works with Android」のロゴが用意されています。今後Bluetooth タグを購入される場合は確認したほうがよいでしょう。今のところAppleとGoogleのネットワーク双方に相乗り出来る製品は出ていないので、俺はiPhoneしか持ってないから関係ないけど、という人も間違って買わないように注意が必要になってきます。
上記、「デバイスを探す」アプリの設定がデフォルトだとトラヒックの多い場所限定になっている問題も含めて、まだ時期尚早な製品ジャンルだと思われますので、普通の人はまだAndroid向けのBluetooth タグ・トラッカーは買わないほうがいいと思います。おたくの人は買ってください。将来的に余ったら人に上げちゃってもいいでしょう。
同じくChipoloから発売されているCARD Pointは交換プログラムが提供されているとはいえ、電池内蔵型、2年使い切りモデル。電池交換タイプのONE POINTの方が気軽に人に譲ったり、手放せるのでお勧めです。
(追記)ミレーのライト ウォレットのベルトループにぶら下げるように、和気産業の丸型カラビナ(25mm)買って使ってます。素直にAirTag クローンにしてきたMoto Tagと違い、AirTag ケースが使い回せないので、嵩張らないカラビナがあると便利です。
(追記ここまで)
*1:Android 14のPixel 8aで確認。