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Android 12でPixel アダプティブ充電の挙動が微調整された

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アイキャッチ 充電

2020年12月のPixel Feature DropでPixel 4以降のPixel スマートフォンで利用出来るようになったアダプティブ充電。

ベータバージョンの時点で報告されていましたが、Android 12へのアップデートで挙動が微調整され、設定されたアラーム時刻により近く満充電になるように変更されているようです。

(追記)2023年6月のFeature Dropにてアダプティブ充電の挙動が変更され、現在はこの仕様ではなくなりました。(追記ここまで)

アダプティブ充電とは

アダプティブ充電は夜間、アラームが設定された時間までじっくりと時間をかけて起床の時間までにPixel スマートフォンを満充電にする機能です。

充電速度を低速にすることで発熱を抑え、バッテリーへの負荷を軽減してスマートフォンのバッテリーライフサイクルを長持ちさせることが出来ます。

アダプティブ充電が使用される条件

  1. 設定でアダプティブ充電が有効になっている
  2. 午後9時から午前4時までにスマートフォンを充電する
  3. アラームが午前3時から午前10時までの間に設定されている

以上の条件を満たしている場合にのみ、アダプティブ充電は機能します。アダプティブ充電が有効になっている場合、ロック画面下部に「アダプティブ充電」と表示され、フル充電までの時間もあわせて表示されます。

夜間でもすぐに満充電にしたい時もあると思います。無効にしたい場合は、設定からアダプティブ充電を無効にするか、アラームの設定を一時的に無効化する必要があります。

Android 11以前では、

  1. 「設定」アプリを起動
  2. 「電池」を開く
  3. 「自動調整バッテリー」を開く
  4. 「アダプティブ充電」のトグルスイッチをオフにする

で無効に出来ました。

アダプティブ充電がバッテリーに優しい理由

リチウムイオン充電池の劣化要因は充放電サイクルの他に、ほぼ満充電状態での長期保存という条件があります。この保存は通常、充放電サイクルほど大きな劣化となりませんが、温度条件によっては大きな劣化をもたらすことがあります。
端的に言えば、満充電かつ高温の状態での保存がリチウムイオン充電池にとっては有害だと言うことです。

スマートフォンの利用状況を考えてみると、就寝時にスマートフォンを充電器に接続した場合、よほど低速な充電器を使っている場合を除けば2時間もすれば充電が100%となり、その後起床して充電器から取り外されるまで満充電の状態が維持されます。しかも、場合によっては布団の上や中などの熱の逃げにくい環境で発熱が長時間維持されることもあります。

アダプティブ充電を利用することでこういった状況を回避し、起床のタイミングまで充電を遅らせることでバッテリーの劣化を回避することが期待出来るわけです。

Android 12での変更点

80%まで
低速充電時
Pixel 5a (5G)を9V2A=18W PDで充電。80%到達後の低速時は0.2 - 0.3Aほどで給電されているようだ。

これまでと同じくアダプティブ充電ではPixel スマートフォンが80%まで通常通りに充電された後、充電速度が低下します。

Android 12では充電が80%まで到達した後の低速での充電速度がこれまでより遥かに遅くなり、朝のアラームが鳴る90 - 30分ほど前にスマートフォンがフル充電されるようになりました。Android 11以前より満充電になる時刻が明らかに遅くなり、アラームが鳴る数時間(3時間?)前に急速充電に切り替わりアラームが鳴る時刻に間に合うよう調整を行っているよう。

アダプティブの設定

Android 12では設定画面の刷新により、

  1. 「設定」アプリを起動
  2. 「バッテリー」を開く
  3. 「アダプティブの設定」を開く
  4. 「アダプティブ充電」のトグルスイッチをオフにする

で無効にすることが出来ます。

計測に使った器具

ルートアール 双方向入力・画面回転・多機能 USB Type-C電圧・電流チェッカー RT-TCRXBa [Amazon]

考えられる影響

基本的に実害はない、バッテリーライフサイクルが延長される変更と思われますがこれまでよりも低速充電がさらに低速になっているので少しでも充電されていると思って充電していたけど全然充電されていないということが発生することはあるでしょうか。

ユーザーサイドで何か対応をする必要はなく、スマートフォンが壊れてしまった訳でないこと、いざという時にアダプティブ充電を無効にする方法だけ把握しておけば問題はないと思われます。

(12月6日追記)一部のQi ワイヤレス充電器など、接続されたデバイスのバッテリー残量を見てファンコントロールを行っている機器にて、80%で保持されている間中ファンが唸り続けることがあります。

アダプティブ充電だけでなく、各社が勝手に実装している充電制御機能でも同じような問題が発生する可能性は高いですが、念の為記載しておきます。(追記ここまで)

参考・関連リンク

Pixel Phone ヘルプ:Pixel スマートフォンを充電する

Google Japan Blog: Google Pixel がバッテリー効率化などのアップデート。Google Pixel 4a に新色 Barely Blue を追加