Rakuten Miniは2020年の春に発売された端末です。レビューなんて言っても今更感はありますが、手放す前に最終評価を書いておこうと思う。
手放す理由
メインで使用しているスマートフォンをPixel 3aからPixel 5a (5G)に切り替えたのに伴い、eSIMをPixel 5aに移し、デュアルSIM運用をすることにした。回線が付帯していないRakuten Miniを利用する機会は今後ないと判断したので手放すことに。
外観・デザイン
楽天の企業ブランドカラーなんだろうクリムゾンレッドの色合い、光沢のあるバックパネルは好きです。バックパネルはプラスチックでフレーム部分は塗装された金属なのかな。微妙に質感が違います。昨今の狭額トレンドからするとベゼルが太く、正面は野暮ったさがあると思います。とにかく小さく、軽いのでそれが全てだと思います。
独自ランチャーのUIは、片手でも操作しやすく画面サイズの小ささにきちんと最適化されていると思います。キーボード入力やアプリやブラウザなどの表示には問題を抱えているので、ランチャーだけですが。
液晶ディスプレイは普通の青白傾向で、まあ多分日本人が好きな色味なんじゃないですか?あからさまに表示品質が低いとは思わないです。輝度は足りてないかな。
ODM製造パートナーは中国・深センのTinnoとのことですが、ビルドクオリティが低いとは思いませんでした。
スペック・パフォーマンス
Snapdragon 439、メモリ 3GB、ストレージがeMMCということで、アプリゲームの利用には使っていませんが、多少負荷の重いウェブページやアプリでは突っかかりを感じました。タッチ操作のレスポンスも悪いと思います。そもそもこいつに重い作業をさせる気にはならないのでどうでもよかったですが。IP52の防塵・防滴仕様。
イヤホンジャックがあって、microSDカードが突っ込めたら引退後も音楽再生機くらいには使ったかもしれません。
バッテリ持ちはどう考えても最悪で、完全に何も触らずほっといても2日に1度は充電が必要でした。電源を切っておサイフケータイ運用する分には気にならないかもしれませんが、通電しておく場合は流石に1250mAhだと厳しい。
カメラ
あくまでメモ用だと思います。逆に言えば、超コンパクトのメモ用カメラフォンが欲しいならこいつで足りるくらいの性能はあったと思います。インカメラは全く使用していないので未評価。
総評・楽天MNOそのものについて
小ささ・軽さ(そして安さ)に全振りしたミニミニ端末で、ロマンはあるが実用はしづらい。周波数変更騒動などの不祥事もあり、セキュリティアップデートはあるもののメジャーバージョンアップは放置されていて、楽天MNOの姿勢がなんとなく伺える。
登場当初、eSIMは楽天モバイルにとって他社からの移行を促進する武器になると考える向きもあった。しかし実際に多くの事業者がeSIM導入を行っていき、対応端末が増えていく中で考えると、むしろ楽天にとってはローミング費用負担を増大させ、サービス悪化時の流出を招きやすい足枷となっているのではないかと感じる。
これまでMNOの提供するスマートフォンは原則シングルSIM、SIMロック済みであったものの、楽天アンリミットを無料範囲で利用し、追加のパケット容量などを獲得する(僕自身のような)フリーライダーにとっては他社で販売するスマートフォンがeSIMに対応していたほうが何かと都合がよい。今後、やっぱもう支えられないから全面有料化するわと言い出した場合も、切り捨てやすい。
たびたび楽天の三木谷社長はローミング費用負担の重さに不満をこぼしていて、さっさと打ち切りたいというのが本音なのだろうが、楽天MNOの基地局整備は遅れに遅れていて、フラットな状態で始まったはずの5Gサービスエリアでも優位はない。黒字化目標は2023年のまま変わっていないようだが、今のところ楽天MNOが勝ち組通信事業者に変貌するビジョンは僕には見えていない。