(2022年2月1日追記)21H1、21H2、Windows 11のより広範なデバイスへの展開に合わせて内容を追記・修正。
現在、サポートが継続しているWindows 10のバージョンはバージョン20H1/20H2/21H1/21H2となっている。2004のサポートはすべて終了しているため、もしも現在に至っても自動更新が行われていない場合は手動で更新を行う必要がある。
1月20日(米国時間)にはサービス終了が近づいているバージョン20H2環境へのWindows 10 バージョン21H2の自動配信が開始されている。また、1月26日(米国時間)にはWindows 11もより広範なデバイスへ展開が行われるようになった。
今現在に至ってもWindows 10 バージョン2004/20H1/20H2あたりを搭載したデバイスでWindows Updateを確認してもバージョンアップデートの案内が表示されない、自動配信が行われない場合、何らかの原因で自動更新が行えなくなっている可能性が高く、自力でトラブルシューティングを行う必要がある。(追記ここまで)
- 21H1の提供制限は解除され広範な展開へ移行
- 21H1は法人向けのリモート/ハイブリッドワーク機能を開放するアップデート
- 「広範な展開」でもWindows Updateをチェックしても配信されない端末がある理由
- Windows 11へのアップグレードはトラブルを覚悟しておいた方が良い
- 不具合などでWindows Update経由でのアップデートが行えない可能性
- 参考・関連リンク
21H1の提供制限は解除され広範な展開へ移行
2021年11月3日(米国時間)、MicrosoftはWindows 10 バージョン21H1を「広範な展開」(broad deployment)に指定したと発表した。
バージョン 21H1はトラブル報告をモニタリングしながら、慎重にリリース範囲を拡大してきたが、その多くは基本的に解消・解決された。また、Windows 10の次期半期アップデートとして21H2が正式リリースを控えている。そのため、提供範囲の絞り込みを終了し、広く提供されることになった。
Windows 10 バージョン21H1は2004 / 20H2環境のWindows 10デバイスを対象に、Windows Updateの「更新プログラムのチェック」ボタンを手動でクリックしたユーザーを対象に配信されている。
とくにバージョン 2004のWindows 10は、今年12月14日にサポート期間の満了を迎える。なるべく早くアップデートの準備を整え、実行することをお勧めします。
21H1へのアップデートが案内されていても、自分から「ダウンロードしてインストール」を押さなければアップデートされることはない。
とはいえ、21H1はOSコア部分の変更が2004および20H2と共通する、機能開放だけのアップデートで既知の不具合も既に解消されている。あまり心配せずアップデートしてしまって良いと思う。
21H1は法人向けのリモート/ハイブリッドワーク機能を開放するアップデート
デバイス管理のパフォーマンス向上
Windows Management Instrumentation (WMI) グループ ポリシー サービス (GPSVC) で、リモート作業シナリオをサポートするパフォーマンスが向上しました。
法人向けの改善で一般ユーザーには関係ないでしょう。
Windows Defender Application Guardのパフォーマンス改善
法人向けセキュリティ機能のバグフィックスとパフォーマンス改善。信頼できないWebサイトをサンドボックス(外部へのアクセスが制限された保護された領域)で確認することが出来ます。
もしサイトに悪意ある細工が施されていても、被害を受けるのはサンドボックスの中だけなので影響を抑えることが出来ます。これも法人向けの改善で大多数の一般ユーザーには関係ないです。
顔認証のマルチカメラサポート
21H1で複数のカメラを備えた環境へのサポートが追加されました。内蔵と外付けで顔認証に対応したカメラを備える場合、デフォルトを外部カメラに設定出来るようになった、ということで、ようするに最初から顔認証に対応するカメラを備えたノートPCなどで、ビデオチャットなどで使用するためにより高品質のカメラを増設したとか、クラムシェルモードで外部モニタに接続してデスクトップPCのように使っているときにカメラを増設して顔認証が使えるとか、そういう限定的な環境ではありがたい機能開放。
一般的な修正
全部書いてるときりがないので気になる人はMicrosoftのページを見ましょう。
日本語IME周りの不具合がいくつか修正されているのがたくさんの人に関係ありそうななのと、ディスプレイ周りの不具合の修正があるので現行の環境に問題を抱えている場合は早期の導入を検討してもいいでしょう。
「広範な展開」でもWindows Updateをチェックしても配信されない端末がある理由
すでにほとんどの20H2利用デバイスで21H1が解禁されているはずだが、Windows Update経由での大型アップデートの配信タイミングはメーカーサポートが打ち切られていない限りはパソコンを売っているメーカーが判断を下す。
Windows Update経由で配布がされていない場合、検証作業や適応するドライバの提供がまだ終わっていないからである可能性が高い。メーカー製のパソコンを使っているなら、Windows Update経由でアップデートが配布されるのを待っていれば良い。
Windows 10の大型アップデートはそれぞれのバージョンごとに18ヶ月間セキュリティアップデートの配信が行われる。セキュリティアップデートの配信が終わる場合は、Microsoftによって半ば強制的に大型アップデートが適用される。
もしも現在利用しているバージョンのセキュリティアップデートの配信が打ち切られても次の半期アップデートが解禁されない場合、「Windows 10のダウンロード」サイト上でダウンロードすることが出来る更新アシスタントを使えば、Windows Update経由でアップデートの配信がされていない端末でも大型アップデートを適用することが出来る。
Windows 11へのアップグレードはトラブルを覚悟しておいた方が良い
Windows 10 2004/20H2/21H2においては、OSコア部分が共通の小規模なアップデートに留まるためにWindows Updateに注意を払う必要性は少なかった。
しかし、Windows 11に関してはアップデートについて十分に警戒したほうが良い。久方ぶりの大規模な刷新に伴う「アップグレードインストール」が行われ、更新プログラムは5GB以上に及ぶ。更新の適用には時間がかかることは言うまでもなく、一部の設定はリセットされることになる。
当然、大幅な刷新に伴いトラブルも飛躍的に増えることが予想される。
Windows 11 アップグレード配信タイミング
Windows 11は10月5日に正式リリースされ、既に対象となる一部端末へのWindows Update経由でのアップグレードのリリースが始まっている。
更新を安全に行うために段階的に提供を進める。基本的に、ユーザーの手元にすでに存在するWindows 10搭載パソコンにWindows Update経由でのアップグレードが提供されはじめるのは来年(2022年)になってからのことになるだろうと予測されている。
Windows 10 21H2の配信タイミング
Windows 11は主にセキュリティ周りの要求仕様が厳しく、割と最近のパソコン以外はアップグレードに対応していない。
そこで、Windows 10を当面の間利用し続けるユーザーに向けた機能追加アップデートとして、21H2の提供が2021年の後半に予定されている。2004以降を導入している環境においては導入を迅速に行えるとしており、OSコア部分は2004/20H2/21H1と共通すると見られている。
21H2の主な新要素として以下が紹介されている。
- Wi-Fi(無線LAN)のセキュリティとしてWPA3 H2E(Hash-to-Element)をサポート(対応する無線LANアダプターとデバイスドライバが必要)
- Windows Hello for Businessを迅速に展開する機能
- Windows Subsystem for Linux(WSL)とAzure IoT Edge for Linux on Windows(EFLOW)におけるGPU演算をサポート
Microsoftは、Windows 10について2025年の10月14日までサポートが続くとしている。
不具合などでWindows Update経由でのアップデートが行えない可能性
システムで使用しているストレージの容量が足らない、使用しているサードパーティ製ドライバに問題がある、接続されている外部装置(外付けHDDやUSBハブ、ドッキングステーションなど)が原因となってアップデートを行えない場合がある。
また、ユーザーサイドでSpybot Anti-Beaconのようなサードパーティのアプリを使ってMicrosoftのテレメトリやトラッキングをまるごとブロッキングしていたりすると、正常にWindows Updateが行えない場合がある。通常、推奨範囲のプリセットを利用しているのならば問題は出ないと思われるが。
テレメトリとは
ソフトウェアやアプリケーションがパフォーマンスの改善や品質向上を目的として収集するユーザーの利用状況データのこと。プロセスは自動化されていて、Microsoftやデバイスベンダーのコントロールセンターなどにデータは送信、収集されている。通常、収集されたデータから個人を特定するのは難しいとされているが、最近では個人情報扱いされ、送信の無効化や削除が出来るようにする動きがみられる。