Microsoftが米国時間で10月21日、Windows 11 v21H2に対して2021年10月度のプレビュー版更新プログラムをリリースした。
セキュリティ関係の修正を含まないオプションの更新プログラムで、月例更新に先駆けテスト配信されるものなので、必要がなければ適用する必要はない。
内容は(大量の)不具合の修正で、既知の問題となっていたAMD製プロセッサを使用したデバイスでL3キャッシュの遅延が増大しパフォーマンスが低下する問題も修正されている。
This release addresses an L3 caching issue that might affect performance in some applications on devices that have AMD Ryzen processors after upgrading to Windows 11 (original release).
— Windows Update (@WindowsUpdate) October 21, 2021
10月22日時点で、今月は既にWindows 10 1809ファミリへのオプションの更新プログラムがリリースされている。2004以降のすべてのバージョンのWindows 10へのオプションの更新プログラムは来週以降配信となる。
KB5006746のハイライト
- IMEに特定の文字を入力すると、InternetExplorerが停止する不具合の修正
- 新しい日本語IMEを使用してファイルエクスプローラーでファイルの名前を変更しようとしたときに発生する不具合の修正
- Cortanaや他の音声アシスタントが録音するサウンドに歪みが生じる不具合の修正
- ロック画面の背景に画像のスライドショーを設定した場合に、ロック画面の背景が黒く表示されることがある不具合の修正
- Bluetoothマウスとキーボードの応答が遅くなる可能性がある不具合の修正
- 再起動後、デバイスの使用を待機させられる時間の見積もりの改善
- Xboxゲームバーの記録機能が使用できなくなる可能性がある不具合の修正
- Windows 11にアップグレード後、一部のアプリの実行が通常より遅くなる不具合の修正
- 特定の条件下でスタートメニューが開いているときにナレーターや他のスクリーンリーダーがアナウンスできない不具合の修正
- 検索ウィンドウがセカンダリモニターに表示されない不具合の修正
- Shiftキーを使用してアプリの複数のインスタンスを開き、タスクバー上のアプリアイコンをクリックできない不具合の修正
- タスクバー上のチャットアイコンのデザインとアニメーションを更新
- 一部の環境でスタートメニューが機能せず、Windows 11にアップグレード後も更新されたタスクバーが表示されない不具合の修正
その他、大量の問題の修正。検索インデクサーが機能停止して複数のプロファイルを生成する、既知の問題とされていたIPPプロトコルを使用したプリンターのインストールが正常に完了しない問題などが修正されている。
AMD チップセットドライバの更新
マイクロソフトのリリースするWindows Updateではないが、同様にWindows 11環境で発生するRyzen プロセッサのパフォーマンス問題として、UEFI CPPC2が正しく動作しない問題が挙げられていた。
こちらはチップセットドライバ「3.10.08.506」で改善され、とくに8コア以上のCPUでの性能が改善されている。
参考・関連リンク
October 21, 2021—KB5006746 (OS Build 22000.282) Preview
Windows 11 known issues and notifications | Microsoft Docs
Windows® 11 Performance Variation in Certain Applications on Compatible AMD Processors | AMD