今日の気になる新製品│Amazon自社ブランドのノイキャン完全ワイヤレス「Echo Buds」、だいぶ仕様がレガシー

※当サイトは収益化の手段としてGoogle AdsenseやAmazon アソシエイトなどの各種アフィリエイト広告を利用しています。

https://m.media-amazon.com/images/I/41xQKlqYxNL._AC_SL1000_.jpg

2月16日、Amazonが独自設計のアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「Echo Buds (第2世代)」(以下Echo Buds)の日本での販売開始を発表した。ブラックとグレーシャーホワイトの2色展開。発売予定日は2月24日。

希望小売価格は、ワイヤレス充電非対応のモデルが12,980円、ワイヤレス充電対応モデルが14,980円(税込)となっているようだが、予約販売期間中は発売記念の割引を行うということで、2月17日現時点でAmazonの予約ページでの価格はワイヤレス充電非対応モデルが10480円、ワイヤレス充電対応モデルが11480円となっていた。たぶん、今後もAmazonの毎月のタイムセールやプライムデー、ブラックフライデーセールなどでも値引きが行われていくことだろう。

https://m.media-amazon.com/images/I/61QL5wGIXGL._AC_SL1000_.jpg

Amazonらしい機能としてAlexaやEchoとの連携機能が紹介されているが、これはモバイルデバイスにAlexaアプリがインストールされている必要があるようだ(Google アシスタントやSiriも利用できる)。アクティブノイズキャンセリングはAmazonの独自カスタム設計を自称している。ヒアスルー(アンビエントサウンド)も搭載し、外部の環境音を確認することができる。

型落ちのBluetooth SoCが不安

販売ページに技術仕様として、プロセッサはRealtekのRTL8763Cであることが記載されている。Realtekは台湾の半導体・コンピュータ機器メーカーで、世界的にも有数のICベンダーだが完全ワイヤレスイヤホン向けBluetooth Audio SoCの世界ではもっぱら超低価格帯の製品で採用されるのみとなっており、今でもレガシーなリレー式伝送を利用している。

リレー式伝送においては、スマートフォンなどの送信側機器に対して片側のイヤホンを接続した後に、もう片方のイヤホンに音声データをリレー状に経由して伝送する。この方式は無線伝送区間が増え、電波を妨害する水分を大量に含む人間の頭が必ず間に挟まることになるため、通信の安定性において問題が多い。元々クアルコムがTWSと呼んでいた完全ワイヤレスの実現方式で、ReatekはRWSとか呼んでいる。

現在主流となっているのは、送信側機器に対して片側のイヤホンを子として接続した後に、もう片方のイヤホンに左右反対側の信号を傍受させる接続技術で、これを左右同時伝送と呼ぶ。親側から左右のイヤホンにダイレクトで伝送されるので、リレー式より遅延が低減され安定性は高くなる。AirohaのMCSync、QualcommのTWSMirroring、BESのLBRTと名乗るテクノロジのことだ。

2022年になって左右同時伝送に対応していないチップセットを搭載した製品がオーバー1万円で発売されるというのは、ちょっと古いんじゃないかなぁと思ってしまう。元々は2021年の製品で、日本国内での販売が遅れているという事情はある。

AmazonUSでレビューを確認すると、否定的なレビューはプライバシーへの懸念やANCの性能への不満が上位に来ているが、いくつか接続性、安定性において問題を抱えているというレビューも見受けられた。

RealtekのANCビルトインチップセットは8773ナンバリングだったはずなので、8763Cを搭載するとしているEcho Budsが独自性のあるANCを採用していること、コンパニオンアプリの開発にコストがかかっていることなど開発に時間とお金がかかるというのはわかるが。

参考・関連リンク

Amazon.co.jp

Home - REALTEK

あわせて読みたい