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Android、Pixelの2022年12月セキュリティ速報が公開│今月はFeature Drop(機能追加アップデート)の月、異例のティザーも

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ティザー

Image : Twitter(Made by Google)

Googleが12月5日(日本時間6日)、Androidの2022年12月セキュリティ情報を公開した。セキュリティパッチレベルは、2022-12-01、2022-12-05の2つに分かれている。

Android スマートフォンにおけるセキュリティパッチは通常、Android スマートフォンのOEMベンダー、あるいは販売を行っている携帯電話会社が提供の判断を行い、配信される。すべてのAndroid スマートフォンで毎月配信されるものではない。

2022-12-01

パッチレベル 2022-12-01では、Android ランタイム1件、フレームワーク20件、メディアフレームワーク1件、システム20件が対処された。最大の脆弱性はRCEのCritical。

今月はそのうち、フレームワーク3件(CVE-2021-39795、CVE-2021-39617、CVE-2022-20442)、システム1件(CVE-2022-20499)がGoogle Play システムアップデート(Project Mainline)でも修正が適用される。

2022-12-05

パッチレベル 2022-12-05では、2022-12-01での修正に加え、カーネルで1件、Imagination Technologies コンポーネントで1件、Mediatek コンポーネントで6件、UNISOC コンポーネントで13件、Qualcomm コンポーネントで1件が対処された。

こちらはQualcommのクローズドソースコンポーネントも含めて重大度はHighに留まる評価。

Pixel スマートフォンのセキュリティ修正と改善

Pixel スマートフォンにはAOSPのAndroid セキュリティ情報に加えて、追加のパッチを含むセキュリティアップデートが提供される。

フレームワーク15件、メディア フレームワーク2件、システムで40件、カーネルコンポーネント14件、Pixel77件、Qualcomm コンポーネント1件、Qualcommのクローズドコンポーネントで2件の脆弱性が修正されている。最大の脆弱性はEoPのCritical。

Feature Drop

GoogleはPixel スマートフォンに新機能を追加するアップデートをFeature Dropと称して定期的にリリースしている。今月のFeature Dropには先駆けてティザーが公開されていて、これは今回が初めてのこと。

具体的に追加された機能は以下。公式ブログで詳細が公開されている。先じて公開されていたPixel 7/7 Pro向けのVPN by Google Oneが含まれている。

12/6現在、アップデートを適用したPixel 6aで実装を確認出来ていない機能を含む。国際障害者デーを祝う3つの壁紙以外の機能は実際にはGoogle Play経由で順次解禁されるものと考えられる。

VPN by Google One

Pixel 7および7 Proで無償でGoogle One内に統合されたVPNが利用出来るようになった。

セキュリティとプライバシーの統合

https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/images/Security___Privacy.max-1000x1000.jpg

これまで[設定]上で分割されていたセキュリティとプライバシーの項目が統合される。セキュリティリスクを通知し、プライバシーとセキュリティを強化するための手順を提案する新しいアクションカードも提供される。

通話用ノイズリダクション Clear Calling

https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/images/Clear_Calling.max-1000x1000.jpg

Pixel 7および7 Pro向け。通話音声を強調し、バックグラウンドノイズを低減するClear Calling 機能が提供される。

レコーダーアプリに話者ラベル機能

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Pixel 6以降向け。英語の会話を録音して書き起こすと、[レコーダー]アプリは各話者を識別してラベルを付け、話者が変わると改行を挿入するようになった。個別にラベル付けされた各人物とのインタビュー、会議、講義、または会話を記録できる。この機能はオンデバイス機械学習を使用して処理するため、録音中にリアルタイムで動作を確認することができる。録音が完了したら、簡単にラベルを付け直すこともできる。

Fitbitの睡眠プロファイルがPixel Watchで利用可能に

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Fitbitの睡眠プロファイルが Pixel Watchで利用できるようになった。また、Pixel 6以降で咳やいびきの検出機能も利用できるようになった。夜間の咳やいびき、就寝時のスマートフォンの使用時間など、何が睡眠に影響を与えているかを理解するのに役立つ。機能の利用には時計とDigital Wellbeingの設定で就寝モードを設定する必要がある。

新しい壁紙(とPixel Watchへの新しいタイルの追加)

https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/original_images/unnamed-1_R5Cm1uI.gif

国際障害者デーを祝うために、3つの新しい壁紙が追加される。新しい Live Bloom 壁紙も追加される。

また、Pixel Watchに新しいタイルが追加されカスタマイズの幅が更に広がるとも。

既存の機能の提供地域、言語、デバイスの拡大

自動車のデジタル キーの共有 - Android 12以降の一部のスマートフォンへの拡大

Gboard の Grammar Check - フランス語で利用できるように

Live Translate - [メッセージ]アプリのテキストでさらに 5 つの言語(アラビア語、ペルシャ語、スウェーデン語、ベトナム語、デンマーク語)の翻訳に対応

より強力なオンデバイス検索 - Pixel 4a 以降の Pixel スマートフォン

[メッセージ]の音声メッセージ文字起こし - Pixel 4a 以降の Pixel スマートフォン

Pixel Buds Proの空間オーディオ

2023年の1月ということで今月のリリースにはならないが、元々は2022年の秋というアナウンスだったPixel Buds Proの空間オーディオ対応が行われる。こちらはPixel 6/6 Pro、7/7 Proのみ対応とのこと。

バグ修正と改善

セキュリティ修正以外のバグの修正と改善はPixel Phone Helpのコミュニティフォーラムで公開されている。安定性、パフォーマンスの一般的な改善は省略。個別の端末限定の改善も割愛。

全てのPixel スマートフォンで共通
  • [電話]アプリの特定のフィールドへのテキスト入力が暗い色で表示される問題の修正
  • 特定のアプリでビデオをシークすると再生エラーが発生することがある問題の修正
  • デバイスのセットアップ中にクラウドバックアップからテキストメッセージを復元できないことがある問題の修正
  • 特定のGoogle アプリのバックグラウンドパフォーマンスの全般的な改善
  • [設定]のバッテリー使用量で前回のフル充電以降の情報が表示されるように(旧:過去 24時間のバッテリー使用量)
  • 特定の状況下で、接続されたBluetooth デバイス間のオーディオの切り替えが時折妨げられる問題の修正
  • ペアリング中にBluetooth Low Energy デバイスのデバイス名が表示されないことがある問題の修正
  • 古いバージョンのBluetoothを使用しているカーオーディオへの接続が時々妨げられる問題の修正
  • 特定のBluetooth デバイスまたはアクセサリが検出されないことがある問題の修正
  • 以前にペアリングしたBluetooth デバイスが再接続できない場合がある問題の修正
  • 常時表示(AoD)から復帰したときに画面がちらつくことがある問題の修正
  • システムと異なるカラーテーマで通知が表示されることがある問題の修正
  • 特定のアプリまたはUI 要素で改行の後に間違った文字が表示されることがある問題の修正
  • 仕事用プロファイルが一時停止されていても、仕事用プロファイルの通知が表示されることがある問題の修正
  • 特定のアプリが横向きに回転できないことがある問題の修正
  • 特定のアプリの使用中にキーボードが閉じられないことがある問題の修正
  • 特定の状況で輝度の自動調整がアクティブにならないことがある問題を修正
  • 特定の状況でクイックタップがアプリまたはシステムのショートカットを起動できないことがある問題の修正
  • 機内モードをオフに切り替えた後のネットワーク接続の改善
  • ホーム画面の検索バー上のG ロゴをタップするとGoogle アプリを開くように変更
  • [仕事用アプリを一時停止] ボタンがアプリ ドロワー上に表示されたり、間違った位置に表示されることがある問題の修正
  • 特定の設定トグルが無効に表示される、または間違った状態に設定されることがある問題を修正
  • デバイスのカラー テーマが予期せず変更されることがある問題の修正
  • グリッドサイズを調整した後、ホーム画面のアプリアイコンが重複して表示されることがある問題の修正
  • 特定の条件下でホーム画面のウィジェットやアイコンが小さく表示される、または縮小されることがある問題の修正
  • 通知シェードでメディアプレーヤーコントロールが非表示になることがある問題の修正
  • 通知のオーバーフロードットがロック画面のアプリアイコンに重なって表示されることがある問題の修正
  • 通知が消えたり、通知シェードに表示されなくなったりすることがある問題の修正
  • 特定の条件下でスクリーンショットのキャプチャが失敗することがある問題の修正
  • 検索でおすすめのアプリが重複したり、結果の上に表示されたりすることがある問題の修正
  • フォントサイズを変更したとき、テキストが誤って切り取られたり、切り捨てられたりすることがある問題の修正
  • ディスプレイの解像度を調整した後、UIがリセットされることがある問題の修正
  • 特定の条件下で壁紙が黒く表示されたり、空っぽになったりすることがある問題の修正
  • 画面がオフになった後、ロック画面の遷移中にタッチ操作が有効になることがある問題の修正
  • コンテンツの変更時にメディアプレーヤーのアルバムアートが更新されないことがある問題の修正
  • メディア プレーヤーコントロールがロック画面に表示されないことがある問題の修正
  • 特定のアプリを起動した後、画面が空白またはフリーズし起動が妨げられる問題の修正
  • 着信通知が通知シェードにリストされている他の通知の上に表示されることがある問題の修正
  • 特定の条件下で、At A Glanceの応答性を改善する修正
  • デバイスのセットアップと設定で特定のUI モーダルの間隔を改善する修正 

日本国内向けのPixel 7および7 ProでWi-Fi6Eが利用可能に

9月に日本国内での利用が解禁されたものの発売時の対応が間に合っていなかったWi-Fi6EがPixel 7および7 Proで12月度セキュリティアップデートの適用で利用可能になるようだ。それに伴い技適認証の電磁式表示も更新される。Wi-Fi6Eの利用には当然対応するアクセスポイントが必要となる。

Pixel 7および7 Pro以外にもPixel 6以降のGoogle Tensor搭載機種はハードウェア的にはWi-Fi6Eに対応しているが日本国内での対応がどうなるかは現時点で不明。対応には技適番号再取得の手続きが必要になるため追加のコストが必要となる他、最新機種との差別化のために敢えて機能を解禁しないということも考えられるからだ。

参考・関連リンク

Android Security Bulletin—December 2022  |  Android Open Source Project

Pixel Update Bulletin—December2022  |  Android Open Source Project

New features have arrived for the Pixel family

Google Pixel Update - December 2022 - Google Pixel Community