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アプデでLE Audioに対応予定の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro 3」を買ったよ。ANC・マルチポイント・ハイレゾ相当コーデック・Qiを抑えて1万円アンダーは強い。

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EarFun Air Pro 3

先日のAmazonの新生活セール(という名前の月例のタイムセール祭りだったが)で「EarFun Air Pro 3」という完全ワイヤレスイヤホンを購入した。定価は8,990円ということになっているが、セール時の価格で7,190円だった。

メーカーがインフルエンサーやメディアに提供品を配りまくっているようだが、悲しいかな僕は自費購入である。

👍

アンダー1万円ながら“全部盛り”の仕様
アップデートによるLE Audioおよび新標準コーデックLC3の対応が明言されている

👎

ツヤツヤピアノブラック部分は安っぽい
音声ガイダンスが爆音ってほどではないけどやや大きめ
ローカライズは貧弱

【追記】特定のプラットフォームで接続時に絶対音量が無効となってしまう場合がある?

確実な再現性が無いのだが手元のChromebook Detacable CM3にて、

  • デバイスへの再接続時に記憶されたボリュームが初期化される
  • デバイスへの再接続時に絶対音量が無効となり異常に小さな・大きなボリュームで再生される
  • 片側のイヤホンのみ音声が遅延する

といった問題がランダムに発生している。いずれも手元のAndroidやiOS、Windowsデバイスで試行している限り確認出来ていない。もうちょっと再現にチャレンジして確認出来たら再度追記する。

マイナープラットフォームで最小再生音量が大きすぎる問題は過去にも色々なイヤホンで遭遇してきたが絶対音量が無効になっているっぽい挙動は初めて遭遇したのでちょっと原因不明。

(ファームウェアVer 0.3.9にて確認)【追記ここまで】

【再度追記】

メーカー(というか対応してくれたのは販売代理店だろうが)に問い合わせして、初期不良認定貰って新品と交換したのだが解消せず。バージョン0.4.2にアップデートも解消せず。

【追記ここまで】

Qualcommの最先端SoCを搭載するミドルハイ製品

QCC3071を採用

Image : 公式製品情報ページより。

Bluetooth SoCは米QualcommのQCC3071を採用するということで、Qualcomm S3 Sound Platformファミリの製品となる。S5(型番が517Xとなる)がプログラマブルでハイエンド向けなので、位置づけとしてはミドルハイクラスになるだろうか。

標準で第3世代Qualcomm Adaptive Active Noise Cancellation(ANC)によるノイズキャンセリング機能をサポートしており、この製品もメーカー独自を謳っているが実際はQualcommのテクノロジを利用しているだけではないだろうか。当然、ANC自体はきちんと機能している。

親機が最近のQualcomm製SoCを採用するAndroid デバイスやCreativeやSENNHEISERあたりが販売している一部のBluetooth アダプターに限定されるが、aptX adaptive コーデックによる96kHz/24bitのハイレゾ相当オーディオ伝送に対応している他、QualcommのTrueWireless Mirroringテクノロジで出力元を問わない左右同時伝送をサポートする。

メーカーサイトやオーディオ系メディアのスペックシートに記載がなさそうだが当然レガシーaptXコーデックも採用しており、手元のPixel 6aではaptXコーデックでの優先接続を確認。WindowsやMacなどのaptXコーデックに標準対応しているプラットフォームでも明示されていなくてもaptXコーデックで接続されているはずである。

見た目はお値段なり。ピカピカのピアノブラック、太くて野暮ったいスティック

イヤホン本体

一応言っとくとピカピカなのは装着時には目につかない部分だけだ。スティック部分のプレートやバッテリーケースの外側は露骨な安っぽさはない。

イヤホン本体やバッテリーケース内側のピカピカピアノブラックは率直に言えばプラスチッキーで安っぽい。うどん、もといスティックの部分も太めで野暮ったい印象を受ける。

装着感は見た目ほど悪くなく、普通に身に着けて日常生活を送っているぶんには耳の中で暴れたりポロリを心配することはなさそうだ。思い切り首を振っても耳から飛び出して吹っ飛んでいったりはしなかった。当たり前だが寝ホン向けではない。

ちなみにイヤーピースは標準のMサイズをそのまま使用している。もっちりしたシリコン製で、S、M、Lの3サイズではなくXSまで含む4サイズ同梱されるのはメーカーの気遣いを感じる。フィルターや接点掃除用の先細綿棒も同梱されていたり、細やかな心配りが嬉しい。

ステム部分

フィルターは目が粗いというか、メッシュ状でない。細かいちりや耳かすが入りそうで心配ならフィルター付きの他社製イヤピを試してもいいかもしれない。

ノズル軸(ステム)は4mmほど。FinalのTYPE E 完全ワイヤレス仕様(Lサイズ)に交換してみたが装着した状態でケースに収納することも出来た。

マルチポイントの挙動は先行再生の親機優先、オーバーライド無し

マルチポイント接続と一言で言っても、実際に2台同時接続したときの挙動はデバイスによって地味に違ったりするのだがEarFun Air Pro 3の場合は先行再生されているメディアが原則として優先され、同時待受しているデバイスが後から通知やメディアを鳴らしてもそちらを拾うことはない。音声を切り替えたい場合一度メディアの再生を停止する必要がある。

ちなみに、コンパニオンアプリからもマルチポイント接続を無効化することは出来ないようだ。

将来を見据えLE Audio対応完全ワイヤレスが安価で欲しい人に

LE Audioへのアップデートによる対応を明言している完全ワイヤレスイヤホンは2023年の3月現在時点でも決して多くはない。むしろ実売が2万円弱から3万程度までの最近の機種でも対応しないことが明らかになっているものもあるので、アンダー1万円でアップデート対応を行ってくれるというのは魅力的。

機能的に足りてない部分があるとすればマイクロソフトのSwift PairやGoogleのFirst Pairのようなクイックペアリング技術の採用くらいで、設定画面を開いてデバイスのペアリングとアプリストアからコンパニオンアプリをインストールするくらいのことは大抵の人には乗り越えることが可能なハードルではないだろうか。あとはマルチペアリング時のペアリング切り替えのオーバーライドもあるが、マルチポイントがあるのだからそれで事足りるだろう。

総合的には、中華オーディオメーカーであることやその悲哀としてローカライズやコンパニオンアプリの出来が怪しいところを乗り越えられるならこいつは良いものだと思っている。