Microsoftが5月24日(PST)、Windows 11およびWindowsServer2022に向けて、非セキュリティプレビューリリース(Cパッチ)をリリースした。
セキュリティ関係の修正を含まないオプションの更新プログラムで、月例更新に先駆けテスト配信されるものなので、必要がなければ適用する必要はない。
Windows 11 (Original Release):KB5014019
Windows Server 2022:KB5014021
Windows Server 2019:KB5014022
Windows 10 バージョン21H1/21H2
バージョン20H2のHome、Pro、Pro Education、Pro for Workstationsエディション、バージョン1909のEnterprise、Education、IoT Enterpriseエディションのサポートが2022年5月10日のアップデート配信を最後に打ち切られている。
一方で、Windows 10 バージョン21H2が4月15日(米国時間)に提供制限を解除され広範な展開へ移行済み。まだ20H2以前のバージョンを利用している場合は早急により新しいバージョンへ移行すべき状態。
19日(PST)には帯域外(OOB)アップデートが、23日(PST)にはWindows Insider向けにWindows 10 21H2「Build 19044.1739」がRelease Previewチャネル向けに提供開始されていたが、メインストリームへの展開は25日現在ではまだ。
帯域外アップデートでは、
- 一部のサービスがクライアントまたはサーバー上のマシンのアカウントを認証できない可能性がある既知の問題への対処
- MicrosoftStoreアプリのインストールを妨げる可能性のある問題への対処
が行われている。
▼参考・関連リンク
May 19, 2022—KB5015020 (OS Builds 19042.1708) Out-of-band
(追記)日本時間で6月3日、Windows 10に対してもCパッチがリリースされた。翌月まで提供がずれ込むのはなかなか珍しい。
ハイライトとして、
- まれにExcelまたはOutlookを開くことができない問題に対処
- IEモードのウィンドウフレームに影響する問題に対処
- インターネットショートカットの更新を妨げる問題に対処
- IMEが前のテキストを変換しているときに追加の文字を入力すると文字を破棄する問題に対処
- ファイルコピーが遅くなる問題に対処
- d3d9.dllを使用する一部のアプリと特定のビデオカードの組み合わせで、アプリが予期せず終了してしまう問題に対処
が案内されている。先述のWindows 10プレビュー版Build 19044.1739と同様のもの。半角カタカナがソートに影響する不具合が対処されている。
▼参考・関連リンク
June 2, 2022—KB5014023 (OS Builds 19042.1741, 19043.1741, and 19044.1741) Preview (追記ここまで)
Windows 11(Original Release)
ハイライトとして、
- スクリーンタイム(利用時間)追加のリクエストを子供アカウントが送信する際のファミリー セーフティ認証エクスペリエンスの改善
- Bing提供の新しい写真が自動的にデスクトップの背景として表示される、Windows スポットライト機能の追加。ロック画面に提供されているものと同じもの。(既定では無効化されているはず。[設定]>[個人用設定]>[背景]>[背景をカスタマイズ]>ドロップダウンメニューからWindows スポットライトを選択)
- スケーリングが100%を超える環境で検索時にアプリアイコンがぼやけていた問題に対処
- ファイルコピーが遅くなる問題に対処
などがアナウンスされている。
ハイライト以外に、4月Cパッチ適用後に発生していた一部のdGPUを利用する環境でDirect3D 9を使用する一部のアプリで、アプリがクラッシュする問題(既にKIRで対応済みだが)への対処など複数の問題の改善がアナウンスされている。
Windows スポットライトを有効にするとデスクトップに[この写真の詳細]にアクセスするショートカットが自動的に生成される。開くと強制的にEdgeが起動し、背景写真の詳細を表示する。
▼参考・関連リンク
May 24, 2022—KB5014019 (OS Build 22000.708) Preview
5月にリリースされた更新プログラムや関連情報、来月以降の予定などの覚え書き
Webブラウザ「Internet Explorer(IE)」が日本時間で6月16日、Microsoftによるサポートが終了する。終了後にはIEのみで動作する仕様のコンテンツが利用できなくなる。日本はとくにIEへの依存度が高いとされ、未だに移行が完了していない組織がとてもとても多いと見られている。
サポート終了後にIEを立ち上げようとするとMicrosoftの新標準ブラウザ「Microsoft Edge」が自動的に起動する。IEのみに対応していたコンテンツは、Edgeを「IEモード」に設定すると従来通り利用できるはずだが、あくまで互換モードであってIEモードで問題なく動作するかもテストは必要となる。
「StatCounter」が公表しているブラウザのシェア率をみると、22年の4月までのIEは世界全体で0.39%、日本は1.79%。さすがにユーザーエージェント偽装ツールのようなものを使用していると考えたい。
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Statcounter Global Stats - Browser, OS, Search Engine including Mobile Usage Share
5月17日(PST)、MicrosoftがWindows 11を広範な展開(broad deployment)に指定したことを発表した。
MicrosoftはWindows 11の提供範囲を絞り、最新のAIモデルを活用してトラブル報告をモニタリングしながら、リリース対象のデバイスを徐々に拡大してきた。リリース当初はアップグレードに関する不具合が報告されていたが、いずれも追加の更新プログラムで既に解決済みとなり、既知の問題は残されていない。
ということで、Windows 11の提供範囲の絞り込みは終了することにしたようだ。PC 正常性チェック ツールでデバイスがWindows 11のシステム要件をクリアしていると認められていれば、どのデバイスでもWindows 11へ移行できる。このツールは「Windows Update」を介して配布済みで、スタート画面から探せば見つかるはず。
▼参考・関連リンク
Windows 11 known issues and notifications | Microsoft Docs
5月19日(PST)、Windows Serve向けに定例外(OOB)の更新プログラムが公開されている。5月のセキュリティ更新プログラムの適用後に発生していた、一部のサービスで認証に失敗する問題、Microsoft Store アプリのインストールに問題が発生する不具合が解決されているとのこと。
この更新はすべてMicrosoft Update カタログで提供され、Windows Update経由で配信されない。
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