Microsoftが8月9日(PST)、サポートが継続しているすべてのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした。ユーザーが手動でアップデートをチェックしなくても、Windows Updateなどを介して自動で提供される。
Windows 10およびWindows 11のいずれも先月の非セキュリティプレビュー(Cパッチ)で提供された改善の内容を含む。
Windows Server 2019:KB5016623
Windows Server 2016:KB5016622
Windows 11(Original Release):KB5016629
Windows Server 2022:KB5016627
Windows 8.1 / Windows Server 2012 R2 マンスリー ロールアップ:KB5016681
Windows 8.1 / Windows Server 2012 R2 セキュリティのみ:KB5016683
Windows Server 2012 マンスリー ロールアップ:KB5016672
Windows Server 2012 セキュリティのみ:KB5016684
Windows 10 バージョン21H1/21H2
バージョン20H2のHome、Pro、Pro Education、Pro for Workstationsエディション、バージョン1909のEnterprise、Education、IoT Enterpriseエディションのサポートが2022年5月10日のアップデート配信を最後に打ち切られた。
一方でWindows 10 バージョン21H2が4月15日(PST)に提供制限を解除され広範な展開へ移行している。5月17日(PST)にはWindows 11も広範な展開へ移行している。
まだ20H2を利用している場合は早急により新しいバージョンへ移行すべき。
Windows Server バージョン20H2が8月9日のセキュリティアップデートの配信でもってサポートが打ち切られる。
Windows 10 バージョン 21H1/21H2のOSコア部分は共通で、更新プログラムの内容は同一となる。月例のセキュリティ修正に先月の非セキュリティプレビュー(Cパッチ)で提供された修正の内容を含む。
ハイライトとしてはセキュリティ問題への対処に加え、
- プリンターに送信するファイルの印刷に影響する問題
- 入力インジケーターと言語バーが通知領域に表示されない問題
の解消がアナウンスされている。
6月Cパッチ(KB5014666)以降のアップデートを適用した環境では、USBプリンターから印刷できない不具合、英語以外の文字を含むXPSドキュメントが開かない不具合もアナウンスされている。
ハイライトでプリンタに関する修正を案内している他、改良点として重複した印刷キューを作成する問題への対処が案内されているので、USBプリンターから印刷できない不具合も解消されたのかと思われたが、この問題は現在でも完全に解消されていないらしく既知の問題として不具合の継続がアナウンスされている。複製元と複製先のプリンタおよび印刷キューを削除してプリンタードライバーを再インストールする必要があるのかもしれない。
8月9日(日本時間10日)中、問題が解決済みであることがアナウンスされた。
一部の環境で8月の累積的なアップデートに含まれている「KB5012170」のインストールに失敗し、エラーコード「0x800f0922」が表示される問題が報告されている。今後のアップデートで解消される見込みだが、UEFIのアップデートで解決する場合もあるとのこと。UEFIのアップデートにチャレンジする場合は必ずバックアップを取得したうえで行うことをおすすめする。
▼参考・関連リンク
Windows 10, version 21H2 | Microsoft Docs
Windows 11(Original Release)
月例のセキュリティ修正に先月の非セキュリティプレビュー(Cパッチ)で提供された改善の内容を含む。
ハイライトとして、セキュリティ更新以外に一部ユーザーが[スタート]メニューを開けない場合がある問題に対処したとのこと。影響を受ける環境では[スタート]ボタンをクリックやタップだけでなくキーボードショートカットを使用しても効果がないことがあった。
このアップデートでは現在、新しい問題の報告はドキュメント化されていない。
一部の環境で8月の累積的なアップデートに含まれている「KB5012170」のインストールに失敗し、エラーコード「0x800f0922」が表示されたり、BitLocker回復キーが要求される事例が報告されている。
このうち、BitLocker回復キーが要求される問題はWindows 11(21H2)でのみ報告されている。仮にBitLocker回復キーを要求された場合、Webからマイクロソフトアカウントを確認すればデバイスの回復キーを確認することが出来るはずである。もしもマイクロソフトアカウントの使用を回避してローカルアカウントしか使用していなかったり、回復キーのバックアップを取得していなかった場合、そのパソコンのデータをすべて失う可能性もある。
Windows 8.1
セキュリティのみとマンスリー ロールアップの2種類が用意されているが、マンスリー ロールアップの適用が推奨されている。
企業向け有償延長サポートに加入している顧客には、Windows 7とWindows ServerNE 2008/2008 R2向けにも最大で2023年までセキュリティパッチが提供される。
Microsoft Officeなど
Microsoft EdgeはWindows Updateのリリースサイクルとは別に更新がリリースされている。Edge 94からChromeと同様、通常4週ごとにメジャーリリースが行われている。ただし、緊急性の高いセキュリティアップデートや重要な修正に関しては、メジャーリリースとは別に配信されることがある。
メジャーリリースのリリーススケジュールはMicrosoftがドキュメントを公開している。8月は既に5日にStableバージョンがリリース済み。
Microsoft Edge リリース スケジュール | Microsoft Docs
Microsoft Edge セキュリティ更新プログラムのリリースノート | Microsoft Docs
Microsoft Officeなどのマイクロソフト製品も脆弱性の修正、信頼性向上の月次アップデートがWindows Update経由で配信されている。これらの製品は、ユーザーがWindowsの更新時に他のMicrosoft製品の更新プログラムも入手するオプションを有効にしていないと配信されない。
Release notes for Microsoft Office security updates - Office release notes | Microsoft Docs