最近、マイクロソフトのデザイナー コンパクト キーボード(21Y-00049)とナンバー パッド(23O-00018)をセットで購入した。以前使っていたロジクールのK380の調子が悪くなってしまったのでマルチデバイス用のポータブルキーボードの代替わりを兼ねつつ、作業時の左手デバイスとしてテンキーを利用するためだ。
マウスやキーボードは、安価なものとか素性のしれぬ弱小メーカーを除けば基本的にはメーカー独自のユーティリティソフト(コンパニオンアプリ)が用意されており、それぞれのメーカーサイトから無料でダウンロードすることが出来る。WindowsならばX-Mouseのようなフリーソフトも存在する。こういったユーティリティはそれぞれのデバイスのスイッチに様々な機能やキーの組み合わせ、マクロなどを割り振ることが出来、生産性に大きく寄与してくれる「パソコンにしかできないすばらしいこと」の1つなのだが、メーカーごとに提供している機能やインターフェースに差があり、キーボードやマウスの選定ではユーティリティも重要な要素となる。
購入前に検索エンジンやSNS、動画サイトなどでちょっと調べた限り、マイクロソフトのアクセサリーに提供されている「Microsoft マウス キーボード センター」についてナンバーパッドで出来ること・出来ないことについてあまり詳しく解説してくれているものが見当たらなかったのでここに書き残しておこうと思う。
ユーティリティソフトやそれに付随する機能が提供されるのはWindows PCのみ
大前提として、マイクロソフトのユーティリティであるMicrosoft マウス キーボード センターが提供されるのはWindows デバイスのみだ。また、デバイスをまたいだカーソル移動でペアリングが切り替わるスマートスイッチ機能もマウス キーボード センターがインストールされたWindows PCのみで利用できる機能となる。まあ、ある意味で当たり前の話なのだが…。
アプリ固有の機能の割り振り、簡易的だが存在するマクロ機能もMicrosoft マウス キーボード センターのインストールされた環境のみで有効なよう。
プログラマブル キー
一番重要なのはキーごとに機能を割り振ることが出来るプログラマブル キーとしての機能だと思う。ユーティリティをインストール出来ない環境であっても、基本設定として割り振ったキーの機能は「全てに適用する」を適用すると機能する。かなり限定的であるが他OSとペアリングした場合でもキーの組み合わせを活用したキーボードショートカットを設定して利用できることになる。
システム既定のアプリの起動ショートカット
Windowsデバイス以外でも電卓アプリが起動するのを確認。他OSでもきちんと機能するようだ。また、プログラマブルでメディアアプリを設定した場合も機能しているのを確認した。
一方で既定のメール、エクセル(表計算ソフト)、ワード(文書作成ソフト)、スカイプの起動は他OSで利用できなかった。
「キーの組み合わせ」の制限
「キーの組み合わせ」で使用できる組み合わせはひとつの補助キー(Alt、Ctrl、Shiftのいずれかひとつ)とひとつの通常キー(つまり、1~\)の組み合わせとなる。3キー以上の組み合わせはさらにWindowsキーとの組み合わせが利用できる。
「キーの組み合わせ」で使用できないキー
キーの組み合わせで使える補助キーはAlt、Ctrl、Shiftのみなので、これらのキーがショートカットに割り振ることが出来ない。
- 半角/全角
- Tab
- Caps lock
- かな
- 英数
- Fn
- Backspace
- Del
- Prt sc
もしこれらのキーやWindowsキーを利用しない3キー以上の組み合わせを使用したショートカットを記憶させたい場合はマイクロソフト ナンバー パッドとMicrosoft マウス キーボード センターでは要件を満たさないこととなる。ただし、WindowsデバイスであるならばこれもまたMicrosoftのシステムユーティリティであるPowerToysのKeyboard Manager機能もあることは覚えておくべきだろう。
それでも不可能な場合はテンキーは諦め、ジョグダイヤルと呼ばれるような左手デバイスの沼に足を突っ込まざるを得ないだろう。あれも各メーカーのユーティリティが乱立していて具体的に何が出来るかよくわからなかったりするのだが…。