【2024.6】QualcommやMediatekのややこしいモバイルプロセッサ

※当サイトは収益化の手段としてGoogle AdsenseやAmazon アソシエイトなどの各種アフィリエイト広告を利用しています。

スプレッドシート

Qualcomm Snapdragon 8 gen X for Galaxy

Galaxy端末向けの選別良品(オーバークロックモデル)。8 gen 2はプライムコア以外は調整なし。8 gen 3ではGPUのクロックレートも強化されている。

サムスン向けのサポート延長+性能強化モデルで実際にはややこしい要素はない。

Qualcomm「+」付き改良版?上位版?

8 gen 1→8+ gen 1などはファウンドリ変更+クロック上昇の改良版という位置づけであったのだが、ハイティアの7ナンバーでは7+ gen 2でベースモデルの7 gen 2が存在しないほか、+なしの7ナンバーでは採用されないCPUのプライムコアを搭載するなど、単なる改良に留まらない性能向上が施されている。

7+ gen 3でも同様に7 gen 3で不採用のCortex-X4が採用され、プレミアムセグメントの8や8sには手が届かないけどミドルクラスの6やハイティアの7では性能的に不満、という微妙な要求を埋める上位製品として「7+」が存在する状態になっている。

Qualcomm「s」付き廉価版

2024年の現在、Snapdragon 8s gen 3、7s gen 2などが存在。8s gen 3はCPUのダウンクロックだけでなく、パフォーマンスコアが1つ効率コアに変更されクラスタの構成が変わっている。GPU、NPUもQualocommはほぼ同等であると公称しているがグローバルイルミネーション非対応になるなど劣化している。メモリコントローラやモデムもより低速になる。

+付き同様7s gen 2はベースモデルの7 gen 2が存在しないという不規則な存在で、前モデルの7 gen 1や最新の7+ Gen 2のCortex-A710/A510より世代落ちのCortex-A78/A55にIPコアが切り替えられている。

little側のクロックレートを1.95GHzに引き上げることでベンチマークを底上げしているようだが、7 gen 1や7+ gen 2の廉価版というよりリブランディング前の780 5Gや778G、778G+の微調整版のような立ち位置に見える。 

シャオミのRedmi Pad Pro(Snapdragon 7s Gen 2)などで採用製品が国内でも出始めている。

Mediatek Dimensity 6020 = Dimensity 700

7nmプロセスで製造され、 最大2.2GHzのCortex-A76が2コア、最大2GHzのCortex-A55が6コア、合計8コア CPU、2コアのARM Mali-G57 MC2 GPUを搭載する。モデム、メモリコントローラなどの仕様も同一。

リブランディングが図られているが、両者は同一のチップとなる。国内正規流通に載っている搭載スマートフォンは

  • OPPO A79 5G(Dimensity 6020)
  • AQUOS wish3、4(Dimensity 700)

ZTE、京セラなども。

2024年の現在、エントリーレベルでも最も性能が低いチップと思われる。OPPO A79はリブランディングしたネーミングを公称。

Mediatek Dimensity 6100+ ≒ Helio G99

6nmプロセスで製造され、 最大2.2GHzのCortex-A76が2コア、最大2GHzのCortex-A55が6コア、合計8コア CPU、2コアのARM Mali-G57 MC2 GPUを搭載する。両社の違いは5Gへの対応状況で5G対応SoCのブランディングであるDimensityは5G対応、Helioは4Gまでとなる。

上記、Dimensity 6020 = Dimensity 700とも製造プロセスノードが7nm→6nmにシュリンクされている以外の仕様がほとんど共通しており、ほとんど同じチップだと考えてよい。

G99が最近の中華ノーブランドAndroidタブレットやLenovoのLenovo Tab Plus(国内未発売)、Dimensity 6100+は京セラの法人向け端末

  • DIGNO SX4
  • DIGNO Tab2 5G

などに採用されている。

Mediatek Dimensity 7200 Pro ≒ 7200-Ultra ≠ 7200 = 930

TSMC 4nmプロセス(N4P)で製造され、最大2.8GHzのCortex-A715が2コア、Cortex-A510が6コアの合計8コア CPU、4コアのMali-G610 MC4 GPUを搭載する。7200-Ultraはカメラ用ISPが特定のシャオミ機向けにカスタマイズされたモデルで、基本的な仕様は同一。

930のリネーム品である7200の上位モデルみたいなナンバリングになっているが製造プロセスもIPコアの世代もGPUのベンダー(IMG→ARM)も違う。もはや完全に別物となっているのでProやUltraを省略すると混乱の元になる。

国内正規流通に載っている搭載スマートフォンは

  • Redmi Note 13 Pro+(Dimensity 7200-Ultra)
  • Nothing Phone (2a) (Dimensity 7200 Pro)