Microsoftが米国時間で3月22日、サポートが継続しているバージョンのWindows 10に向けて、非セキュリティプレビューリリース(Cパッチ)をリリースした。現時点でWindows 11へのリリースは行われていないようだ。
セキュリティ関係の修正を含まないオプションの更新プログラムで、月例更新に先駆けテスト配信されるものなので、必要がなければ適用する必要はない。
(追記)その後、3月28日(米国時間)にWindows 11においても非セキュリティプレビューリリースが利用できるようになった。(追記ここまで)
Windows 11 (Original Release):KB5011563
Windows Server 2022:KB5011558
Windows Server 2019:KB5011551
Windows 10 バージョン20H2/21H1/21H2
Windows 10 バージョン2004は2021年12月14日にサポートが終了しました。
ハイライトとして、
- 検索ハイライトの導入
- Android デバイスのユーザーが「Microsoft Outlook」や「Microsoft Teams」などの一部のMicrosoft アプリにサインインできない問題の解決
- ハイコントラスト ブラックモードで認証情報ウィンドウの「戻る」ボタンが見えなくなる問題の解決
がアナウンスされている。検索ハイライトの導入によって、[検索]のパネル表示で今日が何の日かが表示されるようになる。会社や学校のアカウントでサインインしている場合は、組織の情報を表示させることもできる。
検索ハイライトを表示させたくない場合は設定の[プライバシーとセキュリティ]セクションから無効化することができる。組織管理者側で表示の有無をコントロールすることも可能。
また、既知の問題としてアナウンスされていた2022年1月のプレビューパッチ KB5009596以降を適用の一部Windows 10デバイスで発生していた、特定のBluetooth機器に起因するブルースクリーン問題も対処されたとのこと。
参考・関連:
March 22, 2022—KB5011543 (OS Builds 19042.1620, 19043.1620, and 19044.1620) Preview
Windows 10, version 20H2 and Windows Server, version 20H2 | Microsoft Docs
(4/5追記)Microsoftは4月4日(米国時間)、当該プレビューパッチの適用後に一部のコンテンツが正しく表示されなかったり、アプリウィンドウの外に表示される問題が発生していることを明らかにした。
この問題は「WebView2」コントロールを利用するアプリで発生する。ローカルコンテンツかインターネットからダウンロードされたかを問わず発生する。
影響範囲は、以下の通り。
Windows 10 バージョン 20H2/21H1/21H2(KB5011543)
Windows Server 2022(KB5011558)
なお、このパッチはオプション扱いとなっており、手動でWindows Updateをチェックしない限りインストールされない。さらに、この問題はKIR(Known Issue Rollback)と呼ばれるロールバックシステムですでに解決済み。
組織で集中管理されていない一般的な環境であれば、解決策が24時間以内に自動で適用される。Windows デバイスを再起動すると、解決策がより早く適用されることがあるので、急いでいる場合は再起動を。
組織で集中管理されているデバイスの場合は特別なグループポリシーをインストール・設定する必要がある。詳細はドキュメントページを参照。
参考・関連:
Windows 10, version 21H2 | Microsoft Docs
(追記ここまで)
Windows 11(Original Release)
3月28日(米国時間)に利用できるようになった。
ハイライトとして、
- 最大で4つのトースト(通知)の同時表示がサポート。通話やリマインダー、アラームのように優先度の高い通知が3つと、1つの通常の優先度の通知が行われる。
- 名前の変更をエンターキーで確定したとき、Microsoft Onedriveファイルへのフォーカスが失われる問題の改善
- ウィジェットという単語で検索すると対応する設定ページを返すように変更
が案内されている。
その他、OSをアップグレードした後、UWP アプリの自動起動がオフになる問題の改善などがアナウンスされている。既知の問題のアップデートはなし。
3月29日現時点でアナウンスされている既知の問題は、Microsoft 日本語IMEを使用する場合にアプリケーションがローマ字/かな入力モードを自動的に変更できない場合がある、のみ。
参考・関連:
2022 年 3 月 28 日 — KB5011563 (OS ビルド 22000.593) プレビュー
2022年3月にリリースされたWindows関連更新プログラム・関連情報
3月5日(米国時間)にオープンソースのメーラーThunderbirdですでに悪用の濫用が報告されている脆弱性を修正する、緊急性の高いメンテナンスアップデートが行われた。
3月3日と3月17日(米国時間)、Microsoft EdgeのStable版がアップデートされている。メジャーバージョンが99となり、複数の脆弱性も修正されている。
3月8日(米国時間)、月例のセキュリティアップデートがリリースされている。71件の脆弱性が対処された。攻撃事例は確認されていないものの、内容が一般公開されている脆弱性が3件。
Windows10(20H2/21H1/21H2)にKB5011487, Windows 11にKB5011493│Microsoft製品に3月のセキュリティ更新
3月9日(米国時間)、米国でインサイダープレビュー版の展開が始まっているWindows Subsystem for AndroidにおいてH.264のハードウェアアクセラレーションによるデコードに対応したと発表されている。
そのほかにも、Windows標準のメールアプリとの連携強化やAmazon アプリストアやKindleといった対応アプリでのスクロールや入力の改善、ポリゴン表示を行うゲームアプリなどでMSAA(マルチサンプルアンチエイリアス)が強制され、4xMSAAを無効化できない問題などが改善されている。
3月14日(米国時間)、Microsoftがゲームのロード時間を大幅に短縮するという触れ込みの「DirectStorage API」がPCで利用可能になったと発表している。とはいえ、APIに対応したゲームの登場までエンドユーザーは実際に利用することはできない。
3月26日(米国時間)、Microsoft Edgeに既に悪用が報告されている脆弱性を修正する緊急更新が配信されている。これは先じて25日にChromeに配信されていたゼロデイ脆弱性1件に対処するものと同じもの。
3月31日(米国時間)、MicrosoftはWindows PCとAndroid スマートフォンを連携させるAndroidアプリ「スマホ同期」(英名 Your Phone)を「Windowsにリンク」(英名 Phone Link)に変更した。Windows 11に正式に対応し、新機能も追加された。
UIが変更され通知タブが左のパネルに固定された。メッセージ(SMS)、画像、アプリ、通話の各項目が電話リンク上部のナビゲーションバーに移動し、通知セクションもシンプルに変更される。
3月31日(米国時間)、MicrosoftはWindows 11にアップグレードしたときにInternet Explorer 11のデータにアクセスできなくなる可能性があったことを明らかにしている。
この問題の影響が広がることを防止するため、IE11を標準ブラウザとして設定しているデバイスにはセーフガードが適用され、Windows 11へのアップグレード提供が一時的に差し止められている。
Windows 11ではWindows 10に先んじてIE11が無効化され、Microsoft Edgeが初期標準のWebブラウザーとなっている。そのため、OSのアップグレード前にIE11のデータをEdgeへインポートすることを承諾しない場合、それらへアクセスできなくなることがあった。インポートに同意している場合は問題ない。
現在対策の準備中で、今後のアップデートで問題は解決される見通し。ドライブ上からデータが消失している訳ではなく、インポートを承諾せずアップグレードしてしまったデバイスも問題は解決されるとのこと。