9月28日に開催された、ファイルウェブとクアルコムが主催するBluetooth 体験イベントの抽選に当選したので遊びに行ってきました。クアルコム本社のスタッフも来日し、最新のBluetooth オーディオテクノロジーに触れることが出来る楽しいイベントでした。
SBCとaptX Losslessの違いは一聴で瞭然!
プログラムの一つとしてWindows PCを使用したSBCとaptX Losslessの音質比較デモが行われたのですが、これは流石に一聴で違いがわかるものでした。評論家の鴻池賢三氏が「セミの鳴き声のようなジーっという音」と解説していたはずですが、確かにSBCではジジジジジジ…というノイズが乗っているのが自分にもわかりました。
SBCはBitpool=53の328kbps、aptX Losslessは約1.1Mbpsのビットレートでの比較ですね。昔の機器であったBitpool=32の192kbps SBCや音声通話で使われるmSBCはともかく、328kbpsのSBCをヘッドフォンやイヤフォンで聴いている限りノイジーで音質悪いな、と思うことはほとんどないので今でもスピーカー環境で大きな音を出すとこんなにはっきり違うんだな、というのはちょっと驚き。爆音でBluetooth オーディオをテスト出来る機会というのはこの手の技術デモでもないとなかなかないので貴重な体験です。
Auracastのデモに未来への期待を煽られる
JBL PartyBox Club 120を使用したLEAudio Auracastのデモもよかったです。クラシック Bluetooth オーディオは2台までのワイヤレス出力でステレオ化、そこから有線出力でさらに台数を追加できるものもありますが、基本的には2台のステレオまでという状況です。会場ではそこから更に3台以上のワイヤレス音声出力が出来る様子のデモンストレーションが行われました。
JBL PartyBox Club 120は1台5万円オーバー。それがお仕事でもないと気軽に複数台導入してマルチストリーミングは試せません。ペアリングには多少時間がかかっていましたが同期ズレのようなものも聴覚上把握できませんでした。
本格的な音楽イベントのようなものでは今後も有線の信頼性が重要視されるでしょうが、ロスレスやハイレゾ相当で複数台にワイヤレス伝送出来るならそっちのが配線や管理が楽だからと選択するビジネスシーンも出てきそうなテクノロジーです。
ちょっと残念だったのは
他にも省電力Wi-Fi プロトコルで接続してBluetooth オーディオを中継伝送するQualcomm XPANの解説、Qualcommのオーディオプラットフォームのポートフォリオの解説などが行われ、各プログラムの消化後は自由行動。
クアルコムチップを搭載するBOSE、Shure、Final、Cearの各製品を体験することが出来ました。基本的に既に発売済みの製品なので、一通りはどこかで触ったことのあるものでしたが試聴体験もしてきました。再生アプリをきちんと確認するのを忘れちゃったんですけど、24bit 96kHzでの再生とのことでした。44.1kHz/16bitロスレスではなく990kbpsでの24bit 96kHzロッシーになるんですかね。音源は自由に選ばせてもらえて、YOASOBIの「アイドル」で合わせて試聴しました。
ただ、機材提供を行っているメーカーの人ではなくファイルウェブの方だと思うんですけど、どうでした!?って聞かれてちょっと返答に悩んで素直に褒められなかったんですよね。頭出しで音が出なかったり、隣の人が立ち上がったり人の移動があったときにも音声ドロップが発生したりであんまり良い通信環境じゃなかったんですよ。デモンストレーションでもBluetoothの接続に手間取ったりしていたので、会場の無線環境自体があまり良くなかったんじゃないかと…。aptX Adaptiveに限った話ではありませんが、モダンなBluetooth オーディオは接続環境がよくないとビットレートを落として接続性を保とうとするはずですし、「これ、ホントに最高品質での再生になってる?」とちょっと疑問に思いました。後はまぁ、ガヤがあったり隣でスピーカーの実演で音声鳴らしたりもしてたので外部環境もノイジーだったのもあります。
展示されていた製品はどれも一級のブランドのプレミアムな製品なので、もちろん良かったですよ!
これ、いいなあと思ったものは意外なやつ?
色々触ったのですが、一番いいなあと思ったのは母機として使用されていたAQUOS R9でした。今世代で新しくなったAQUOS スマートフォンのデザイン、けっこう好きです。
とくに協賛とか提供とか言ってなかったけど、多分メーカー提供なんですかね。全台R9で統一されていたはず。遠目だったので確実ではないんですが、AuracastのデモはPixelっぽいスマートフォンを使ってた気がしますが。
チップセットがフラッグシップの8ナンバーからティアハイの7+にダウングレードしてしまいましたが、そのぶん今どきのハイエンドよりだいぶお安く購入できるはずです。
実はこの端末、ゲームはそこまでガチにやらんけどオーディオは好き、でもaptX Losslessのためだけに円安で高額になってしまったハイエンドAndroidスマートフォン買うのもなあ…という人にちょうどいい感じのデバイスなんじゃないでしょうか。キャリア版は12万円前後とちょっと舐めたプライシングですけど、帰りの電車の中で価格コム見たらオープンマーケット版が9万円切ってました。
イヤホンジャックはありませんがmicroSDには対応しており、もうちょっと値下がったら水月雨のMIAD01なんかと殴り合い出来るんじゃないかなと思います。あれはMediatekなんで、ハイレゾ相当 990kbps LDACがBluetoothの最高出力のはずですからね。
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