ちょっといつごろ有効化されたものなのかわからないのだが、プライバシー サンドボックス(試用版)が手元の全Android端末で有効化されていた。デスクトップOSやChromeOSの最新安定版ではプライバシー サンドボックス機能は提供されていないようだ。
7/4追記:デスクトップOSやChromeOSなどのChromeでも有効化されているのを確認した。
Android端末向けChromeの最新安定版は米国時間で6月22日に提供開始されたようだが(サーバーの負荷を軽減するため、実際にユーザーのプレイストア上で反映されるのは若干のタイムラグがある)、リリースノートやGit logを確認してもプライバシー サンドボックス機能を有効化するようなことを書いていなかった。
Googleは米国時間で24日、サードパーティーCookieを2023年までに段階的に廃止する予定を明らかにしている。これに前後して有効化されたんだろうか?もしかしたらもっと前にとっくに有効化されていて、間抜けな僕が全然気付いてなかったという可能性もかなり高い。
サードパーティーCookieとは、簡単に言えばユーザーが開いているサイト以外、第三者によって提供されるCookieのことで、もっぱらターゲット性の高い広告を表示するために使われている。ユーザーが関心のありそうなウェブサイトを開いた時にCookieがそれを記憶しておくことで、別のサイトを開いたときにもこれまで開いたことのある(つまり関心があると思われる)コンテンツが広告として表示される仕組みを提供している。その他にもシングルサインオン(色んなウェブサイトでいちいち会員登録しなくてもGoogleやFacebookなどのアカウントでログイン出来るやつ)なんかもサードパーティCookieを使っていたりする。サードパーティCookieはユーザーが意識することはないものの、それなりに重要なウェブサイト上の色んな機能で使われてきた。
ところがこのサードパーティーCookie、ユーザーが知らない内にウェブ上での行動を記憶していくのでプライバシーの問題があるとしてしょっちゅう批判の的にさらされてきた。あんまり廃止に積極的ではなかったGoogleさんも、元々は2022年までにChromeからサードパーティーCookieの対応を廃止して、代わりにより透明性が高く、安全でプライベートな仕組みを実現する「プライバシー サンドボックス」を提供するという意向を示していた。(コロナ禍の影響とか規制当局とやりあっている時間がかかるなどもあるのだろうが、今は2023年に延期した。)
サードパーティーCookieの廃止は段階を2回に分けて行われる。2022年後半にChromeでAPIがリリースできる段階となったら移行期間であるステージ1を開始。パブリッシャと広告業界はこの間にサービスを移行できる。ステージ1は9ヶ月続ける。
そして2023年半ばに完全にサポートを終了する3ヶ月前からサードパーティーCookieのサポートを段階的に廃止していく、ということになっている。(予定は未定)
ちなみに、プライバシー サンドボックス(試用版)が有効になっていても今の所、シングルサインオンでのログインが出来ないとかの問題を確認したことはない。試用版ということで、別にサードパーティCookieを強制的に無効にしている訳ではないようだから、勝手に有効化されていても大した不具合は出ないってことなんだろう。なんだかよくわからない機能がいつの間にか有効化されていて不安になったりするユーザーはいるかもしれないが。
参考・関連リンク
Chromium Blog: Privacy Sandbox in 2021: Testing a more private web
The Privacy Sandbox: Technology for a More Private Web
An updated timeline for Privacy Sandbox milestones
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