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【今日の気になる新製品】新型Fire HD 10 タブレットの搭載SoCはタブレット・Chromebook向けのMediatek MT8186A(Kompanio 520)。bigコアの刷新で性能向上

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New Fire HD 10

画像はUS版Amazonの商品ページより。

Amazonが9月20日(現地時間)、Amazonデバイス&サービス発表会を開催。今後発売予定の新製品や既存製品のアップデートなどが一挙に発表された。

新世代「Fire TV Stick 4K Max」「Fire TV Stick 4K」、「Fire TV Soundbar」(国内投入未定)、「Echo Hub」のほか、「Echo Show 8」(国内投入未定)と「Echo Frames」(国内投入未定)の新世代モデル、「Echo Pop Kids」(国内投入未定)などが発表された。

Amazonのタブレット端末、Fire シリーズのニューモデルとしては「Fire HD 10」のリニューアルモデルが発表された。国内での発売が既に決まっており、10月18日出荷開始。

公称では、先代モデルに比べて最大25%高速化したほか、バッテリー性能も最大13時間に延長。「Fire Max 11」同様にUSI 2.0にも対応しており、Made for Amazonスタイラスペン(別売)と一緒に使えば、4,096筆圧検知、パームリジェクション対応でのイラスト制作も行えるとのこと。

英語版の開発者向け仕様詳細ページを確認しよう

Amazonはコンシューマーのユーザー向けにSoCの詳細を公開していないが、開発者向けには既に詳細を公開している。日本語ページはいつも翻訳が遅れるので、英語版サイトを見るとFire HD 10 (2023、第13世代)のSoCはMediatek MT8186Aとのことだ。

Fireタブレットの仕様: Fire HDモデル | Fireタブレット (ページ下部のドロップダウンで英語ページに切り替え可能)

2 x A76@2.05 GHz、6x A55@2.0 GHzの合計8コアのCPU、ARM純正のMali GPUがG52 MC2 2EE @1GHz、デュアルバンド Wi-Fiは802.11 a/b/g/n/ac、つまりWi-Fi 5までの対応に留まるとのこと。Bluetoothは5.3 LEに対応。

MT8186はMediatekのタブレット・Chromebook向けチップセットで、Chromebook向けはKompanioという別のブランディングが使用されている。MT8186の場合は別名がKompanio 520であり、やはりMediatekが詳細を公開している。

MediaTek | MediaTek Kompanio 520

厳密には「MT8186」ではなく「MT8186A」なので仕様の細かい部分が異なっている場合がある。(末尾AはAmazonのAなんだろう。たぶん。Mediatekはタブレット向けにTをつけたり、スマートフォン向けにPをつけたりターゲットにしているフォームファクタ、デバイスでバリエーションを用意している。)

こちらではストレージタイプがeMMC 5.1、メモリタイプがLPDDR4Xであることが確認できる。Wi-FiはWi-Fi 6までオプションで対応出来たようだが、Fire HD 10では仕様が落とされているようだ。

Fire HD 10 タブレットの詳細性能仕様

総合すると、Fire HD 10 タブレットの仕様は

CPU : 2 x A76@2.05 GHz、6x A55@2.0 GHzの合計8コア
GPU : Mali G52 MC2 2EE @1GHz
WiFi : Wi-Fi 5
Bluetooth : 5.3 LE
RAM : 3GB LPDDR4X 3733Mbps
ストレージ : 32GB / 64GB eMMC

となる。旧HD 10モデルからはCPUのbigコアがCortex-A73から三世代ジャンプアップしてCortex-A76に切り替わったことでシングルスレッド性能が大幅に跳ね上がっているはずだ。GPUのMali G52はHelio G80から採用されているコアのクロック微増版だろうか。

いずれにしろコアの構成、クロックを見るにその性能は定価で2万円弱程度のエントリースマートフォンに搭載されるSnapdragon 480やDimensity 700に近似、あるいは僅かに劣後する程度のもので、決してパワフルなプロセッサとは言えない。

チップセットの仕様とは別に最大ヒープのサイズが肥大化していることで、個別のアプリケーションの動作速度が更に改善している可能性も高い。一方で実装メモリは増えていないので、バックグラウンドアプリがよりアグレッシブにキルされるなど挙動が若干変わっている可能性はある。

Fire HD 10 タブレットは「買い」?

Amazon デバイスは基本的に全て、定価で買うものではないと思っています。今後ブラックフライデーセールやプライムセールで大幅にディスカウントされているタイミングならば個人的には「あり」かなと思います。

旧HD 10モデルからの更新であれば性能の向上は体感できるはず。シングル性能が向上した分、よりモダンなスマートフォンの操作感に近づいてはいるはずです。それでも重い処理は厳しいとは思いますが…。

2万円を切るタブレットでUSI 2.0デジタルスタイラスに対応しているのは個人的には評価が高いです。お絵描きするにはもちろん厳しいスペックですが、なんだかんだメモ書きとかでスタイラス使えるのって便利なので。Google Pixel タブレットでFire 11 Max用スタイラスを使用していますが、やっぱり便利です。