Windows 11で先行的にリリースされていた、新デザインのMicrosoft Storeアプリが2004以降のWindows 10にも展開が始まっている。
新しいMicrosoft Storeは単純にデザインが刷新されただけでなく、UWP以外のアプリが提供できるようになり、他社決済システムを利用できるようになるなどよりオープンな環境になっている。
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これまでのMicrosoft Storeは山ほどの「Guide」系フェイクアプリの中にデバイスやモジュールのベンダー提供のユーティリティアプリに加え、実用性に問題を抱える機能制限版のようなUWPアプリがちらほら転がっているくらいだったが、実用的で利便性の高いデスクトップアプリもいくつか展開が始まっている。
使えるようになったアプリ(抜粋)
VLC:UWP版と、フェイクアプリは大量に並んでいたが本家VideoLANのデスクトップアプリ版VLCがMicrosoft Storeでインストールできるようになった。
CrystalDiskinfo:定番のストレージヘルスチェックアプリだが、これまでベンチマークアプリのCrystalDiskMarkしかリリースされていなかった。新しいMicrosoft Storeでは、CrystalDiskInfoもインストールできるようになっている。
FireFox・Opera・YandexBrowser:サードパーティのブラウザアプリもMicrosoft Storeからダウンロードできる。肝心のChromeがダウンロードできないが。
PowerToys・Visual Studio Code:Microsoft謹製。Microsoft Storeとは関係なく、Visual Studio CodeはMicrosoft Update経由で更新できるようになった。PowerToysはアプリ内更新機能のまま。
Reddit、Wikipedia、TikTok、Tumblrなど:Microsoft Storeからインストール出来るが、デスクトップアプリではなくPWAで提供されている。
OBS Studio、Discord、Zoom Cloud Meetings、TeamViewer、LibreOfficeなど:その他、人気のあるデスクトップアプリ。
アプリは増えたが、便利になったとは言い難い
Microsoft Store経由でインストールできるアプリは増えたのだが、これらのデスクトップアプリはMicrosoft Store経由でインストールしてもほとんどがMicrosoft Storeのライブラリに表示されず、Microsoft Store経由でアップデートの管理などはできない。あくまでインストールすることが出来るようになっただけだ。
また、Microsoft Store経由でアプリをインストールすると32bitアプリと64bitアプリを両方インストールするような雑で強引な処理をするものもある。
Microsoft Storeアプリ自体も問題を抱えている。そもそも、安定性とパフォーマンスに問題がある。Microsoft Storeを閲覧していると頻繁にページの遷移に失敗してなにも表示されないことがあったり、ページの再読み込みを促されることがあった。
アプリを一度インストールしてしまうとマイライブラリにアプリが残り続け、削除することが出来ない「仕様」もそのままだ。パソコンを変えようが、クリーンインストールしようが、一度でも不要なアプリをインストールしてしまうとMicrosoft アカウント自体が永遠に汚染される。
それから、デスクトップアプリの大半はブラウザ版Microsoft Storeから確認することが出来ない。ストアからURL共有することも出来ない。新しいMicrosoft Storeアプリから自分で検索してアプリを探す必要がある。
サードパーティストアの提供は未だ
今後はサードパーティのアプリストアの提供も行うとしていて、AmazonおよびEpic Gamesが出店を予定している。サードパーティのストアで購入したものはMicrosoftと収益を共有されない。
まだまだアプリ自体が足りていないが、Amazonの出店でとくにAdobe系アプリがダウンロードできるようになれば、あらかた必要なものをインストールすることは出来るようになるだろう。
最大の問題は、Google系のアプリがまったくインストールできないことだろうか。これは、GoogleとMicrosoftどっちが悪いのか(たぶん両方邪悪)、よくわからないが。
参考・関連リンク
Microsoft Store: More apps, more open - Windows Developer Blog