【ミニレビュー】LE Audio(LC3)やAptX adaptive、AptX losslessが利用可能でリーズナブルなUSB-C トランスミッター eppfun AK3040Pro Max

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CreativeやSennheiserなどのオーディオメーカー各社から発売されていて、そのデバイスでは本来非対応のコーデックで接続し低遅延であったり、高音質であったりを実現するUSB Bluetooth オーディオ トランスミッター。

ただ、今のところLEAudio(LC3)対応のトランスミッターを単体で販売している大手のベンダーはありません。高額なイヤフォン/ヘッドフォンとのバンドルで売られているものはいくつかありますが、基本的に3万円オーバーからとちょっと手が届きにくいかも。

でも、無名の深センメーカーからは既にLEAudio対応のトランスミッターが既に発売されていたりします。今回購入したeppfunの「AK3040Pro Max」(以下AK3040)がそれ。

AK3040Pro Max

サイズ

ドングル部分はわずか2cmほどです。

技適はきちんと取得済み。国内利用も問題なし

ブランドロゴの裏面に、きちんと技適マークと番号が刻印されている。総務省の電波利用ホームページより「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で確認すると、Shenzhen Changsheng Technology Co., Ltdよりきちんと技適の取得がなされている。

認証表示

2024年6月頭の時点で、

  • イヤホンやヘッドホン同梱ではなくLEAudio トランスミッター単体で販売している
  • 技適をきちんと取得している

ものはこれ以外見当たらない。価格も購入時税込み3,999円(AmazonのスマイルSALEで¥4,499 + 500円引きクーポンも配布されていた)とリーズナブルなのは嬉しい。

搭載チップはQualcomm製でSnapdragon Soundも対応

一応邦訳されている(たぶん機械翻訳通しただけだろうが)ペラ紙のガイドによると、当該製品はQualcomm方式のLEAudioをサポートしており、他社の実装方式次第では問題が発生する可能性があるとのこと。製品の組み合わせによってLEAudioのハードウェアオフロードが極めて不安定になる事例は実際にある。本来ならばaptX系コーデックに対応するQualcommチップ搭載のイヤフォン/ヘッドホンと組み合わせて使うべきなのだろう。

ガイド

Amazonの商品ページによればAptX Losslessの利用にはファームウェアアップデートが必要なようで、ファームウェアはメーカーのダウンロードページからダウンロードしてインストールする必要がある。

スクリーンショット

Amazon 商品ページよりスクリーンショット

Zipファイルの中に7zアーカイブが二重アーカイブ状態になっていたが、Windows 10/11の標準機能では7zを展開することが出来ないかもしれない。Windows 11 Insider Previewで7-Zip/tarのネイティブサポートが実装されているはずだが、メインストリームの23H2/22H2ではまだ…だったはず。まあ、7zipとか、NanaZipとかを使えばよい。僕はNanaZip派だ。

解凍してしまえば、あとはStart.batを実行するとコマンドプロンプトが起動するので、y→Enterを打ち込めば勝手にバッチをあててくれる。もちろん、これらの作業はトランスミッターをWindows デバイスに接続した状態で行う必要がある。モバイル アプリなどからファームウェアアップデートやペアリング機器やコーデックの管理などを行う機能は提供されていないのでその点は注意して欲しい。

通信安定性とレイテンシは…

aptX系コーデック非対応であり、LC3およびLC3+に対応するCreative Zen Air Proでちょっと問題が発生した。トランスミッター側のハードウェア ボタンを押すとコーデックや接続モードの切り替えが行えるのだが、デフォルトの低遅延モードから音質優先に切り替えようとすると音声が完全に途切れてしまう。

また、Zen Air Proをバッテリーケースに戻し接続を切ってもAK3040側は接続断を認識出来ないのか、以降AK3040側を再起動するまで音声出力が途絶えてしまう。Zen Air Proも発売を明言されているはずのトランスミッターが未だ音沙汰なしの状況で、ちょくちょくファームウェアアップデートは降ってきている状況なので今後のアップデートで改善する可能性はなくもないが…。

問題はレイテンシで、superpoweredのLatency Testで計測したかったのだが、何故か音量が足りていないらしく計測ができない。無線のヘッドフォン/イヤフォンは基本的にヘッドフォン/イヤフォン側にDACやアンプが搭載されていて、親側の素性で音量や音圧が大きく変わることはないはずなのだが。防音室のような都合のよい環境は自宅にはないので、周辺ノイズの可能性もある。

あらためて後日計測を行いたいが、超超簡易な遅延テストとしてGoogle Playでダウンロードした「ワイヤレスヘッドフォンディレイテスト」を使ってみた。「ティック」の音声タイミングに合わせてユーザーが画面をタップしてディレイを測るもので、正直言って数字の精度や正確性が担保できるものではない。

play.google.com

使用したのはやはりCreative Zen Air ProでコーデックはLC3だ。人間性能もあまり高くないという自負があるし、後々でたらめな数字であることがわかって恥をかくのも嫌なので細かい数字の明言は避けるが、それでも100msを切る応答性はあると思う。動画を見てもリップシンクのズレは認識できず、200~300ms程度遅れる他のイヤフォン/コーデックと比較すると「あっ低遅延になってるな」というのがはっきり体感できる程度には遅延が低減されている。

こういった深セン系の受託製造・設計を手掛けているメーカーから製品が出始めている以上、ある程度のタイムラグはあっても今後CrieativeやSennheiserからもLC3やLC3+といったLEAudio、ロスレスを含むSnapdragon Soundに対応するオーディオトランスミッターはほぼ確実に販売されるはずだ。とはいえ、Eppfunよりは高額になるだろうし新しいオモチャが欲しくていつまでも発売を待っていたくないという人もいるだろう。そういう人はこのAK3040でいち早くLEAudioやSnapdragon Soundに触れてみるのもいいだろう。