Googleは3月31日(米国時間)、Stable版Chrome OS 100が広範な展開に移行したと発表した。3月30日時点で3月31日にリリースを行うこと自体は発表していたものだ。
ChromebookのOSアップデートはGoogleが管理しており、大半のデバイスはリリースのアナウンスがされた時点でアップデートをセルフチェックすれば更新が可能となっている。(モデルによっては配信が遅れることがある。)
ランチャーの刷新
画像は公式ブログより。
Chrome OS 100で一番の刷新はランチャーの刷新だ。これまでのランチャーでは画面全体の下からグレーで塗りつぶされた背景に、太い検索バーと小さなアプリの候補が引きあがってきていたが、新しいランチャーでは左下のランチャーボタンからすりガラス状に透過された小さなフローティングウィンドウが飛び出してくるように変更される。
開いているウィンドウが見やすいように配慮したとのことだが、より既存のデスクトップOSに近いインターフェースになった。
また、アプリの表示順をアルファベットまたは(アイコンの)色順に並べ替えられるようになる。手動で配置を変えることも可能になると謳っているようだが、これはもともと出来る。
ランチャーの検索窓ではウェブ上の情報やショートカットや開いてるタブからも検索ができるようになる。
ただ、Detacable CM3(Kukuiベース Kakadu)ではバージョンアップ後もランチャーが新しいものに切り替わっていない。プロセッサの要件があるのか、ディスプレイサイズやdpiの要件があるのか、タッチパネル対応などで変わるのか、後日更新されるのかよく分からない。CM3は32bit OSなのでそっちが原因の可能性もある。
その他、公式ブログ(Google キーワード)の案内
ランチャー以外にもいくつかの機能が案内されている。ディクテーション機能の拡張、カメラアプリのGIF撮影対応、Youtubeアプリのオフライン再生対応などをアピールしている。また、古くなったWindows/MacをChrome OS化して再生するChrome OS Flexも紹介している。
次のChromebook
画像は公式ブログより。HP、Lenovo、Acer、ASUSから発売されるより上位の製品群も紹介している。今後、数か月以内に購入できるとしているので、米国の新学期シーズンである8~9月あたりに投入されるのではないだろうか。日本市場ではほとんど発売されないかもしれないが。
手元にあるChromebookはMT8183(Ideapad Duetに採用されているHelio P60にエンコーダが搭載されただけのリネーム品であり、今ではKompanio 500でもある)搭載機種であり、CPUの高性能コアがCortex A73だ。
ARMのアプリケーションプロセッサであるCortex Aは近年スマートフォンからWindowsやChromebookのようなより大型のデバイスをターゲットにシフトしており、とくに熱心にシングルスレッド性能の向上を図っている。(代わりに、とくにフラッグシップSoCでスマートフォンでは発熱が厳しいという問題を抱えているのだが…)
より具体的にはCortex-A76からIPCが大きく跳ねていて、シングルスレッド性能が上がったぶん性能の向上が体感しやすい。購入からまだ1年くらいなのだが、物欲に負けて買い替えてしまうかもしれない。
気づいた変更点
- Chrome 100からChromeのアイコンが刷新され、ChromeOSの方でもアイコンが変更されていた。
- ステータス領域(右下のIMEやネットワーク、バッテリーや時刻が表示されている領域のこと。正式名称不明)がこれまで1ページに6アイコン表示だったが、9アイコン表示に切り替わり表示領域が拡大している。いつ切り替わったのか不明。
注意すべき点
バージョンが3桁になり、UA(ユーザーエージェント)を正しく使用していないWebサイトに影響が出る可能性がある。
新年度に入って様々なウェブサイトやウェブサービスがリニューアルしているので実際対応は進んでいるのだが、どうもリニューアルされたサイトの中に未だにUA文字列を使用して環境を把握しよう、サイトレイアウトを変更しようと試みているものが散見される。
GoogleはUA文字列の使用を新しいAPIに置き換えようとしており、Chrome 101以降で段階的にUAを削減していく予定なので、今後のバージョンアップでサイト利用に不都合が出る可能性がある。
参考・関連リンク
Chrome Releases: Stable Channel Update for Chrome OS
Celebrating update 100 with new Chromebook features
Celebrating Chrome OS 100: Recapping how we’ve grown with developers over the years | chromeOS.dev