SB C&SがGLIDiCブランドとして、通話品質にこだわり抜き、ビジネスシーンを支えると自称するANC対応完全ワイヤレスイヤホンGLIDiC TW-9000を今秋に発売する。価格はオープンプライスとなっているが、SoftBank SELECTION オンラインショップでの販売価格は22,800円。
Knowles製のMEMSマイクを左右2個ずつ搭載し、cVcノイズキャンセリング技術と組み合わせることで周囲の騒音を抑え、相手にクリアな声を届けられるとしている。ヒアスルー(外音取り込み)とANCもサポートする。
連続使用時間は音楽再生・通話ともに約12時間、充電ケース使用時は約44時間としているが、再生可能時間は使用されるコーデック・音量などで有意な差が出る。ANC機能などの使用でも再生時間は減る。実際にはもっと短いと思われる。充電時間はイヤホンが約1時間、ケースが約2時間。ケースの充電ポートはUSB Type-Cで、Qiにも対応。イヤホン本体はIPX4の防水仕様。
Bluetooth 5.1に準拠し、対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive。対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP。左右同時伝送技術のTWS Mirroringに対応としている。
aptXおよびaptX Adaptive、TWS Mirroringに対応ということで、QualcommのQCC304x、あるいはQCC514xを搭載しているのだろうが、これらのチップセットはBluetoothバージョン5.2に切り替わっているはずで、バージョン5.1と言うのがちょっとわからない。ハイブリッド式アクティブノイズキャンセリングに対応ということだが、これもQualcommのチップセットがサポートするものを使っていると考えられ、カタログの最大消音能力の記載がないが、-34dbとか、-35dbとかになるだろう。
売りにしているのが通話品質ということで、QCC514xでサポートされるaptX Voiceに対応していることを期待したくなるが、カタログから具体的に搭載チップセットを読み取るのは難しい。発売のタイミングとか、価格的にもフラッグシップの入り口なので、チップセットもフラッグシップであることを期待したくなるが、微妙なところだ。
Knowles製のMEMSマイクを左右2個ずつ搭載としているが、MEMS(メムス)とはMicro Electro Mechanical Systemsのアクロニムで、極めて微小な電子機器を利用した集音装置ということだ。完全ワイヤレスイヤホンではECMマイクとかいうコンデンサマイクの一種も使われるが、通話品質はMEMSだから優れているとか、ECMだから優れているとか、はっきり断言することはできない。需要の増加に伴い最近のMEMSマイクの進化は著しいものがあるが、マイクの実装位置などの製品設計の影響が大きく、具体的な製品による…というのが正直なところだ。そもそも、本当に通話品質を重視するならブームマイクを搭載したヘッドセットを購入したほうがいい。
参考・関連リンク
GLIDiC史上最高の通話品質、妥協なき完全ワイヤレスイヤホン「GLIDiC TW-9000」を発売 | SB C&S株式会社
Overview | QCC5100 Series | Bluetooth 5.0 Chipset for Headsets and Speakers | Qualcomm